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10年、20年先見据えて 松園団地の再生研究会 提言取りまとめへ始動 キックオフフォーラム 空き家活用など学ぶ

2020-11-10

会場からも熱心な質疑があったフォーラム=7日、東松園小体育館

 盛岡市松園地区の住宅団地再生に取り組む住民らの有志組織まつぞのリボーンプロジェクト研究会(藤澤大祐代表)は、国のハンズオン支援選定に伴い、提言の取りまとめへ活動を本格化させる。12月から2021年3月に住民参加で松園の将来とその実現方策に関するワークショップ(WS)を重ね、市が21年度策定予定の地域再生計画に反映させる考え。7日にキックオフフォーラムがあった。

 フォーラムは研究会と市の共催。東松園小体育館を会場に地元中学生はじめ住民ら約150人が参加。ウェブ会議サービスZoom(ズーム)で40人以上が視聴した。

 藤澤代表(47)は冒頭、「松園が大好き。同時に現状ではいけないと思っている。10、20年先を見て何かしなくてはと考え、研究会を立ち上げた。本日が一歩になり、まちづくりへヒントになれば次につながる」と説き、参画を呼び掛けた。

 東京大工学系研究科の大月敏雄教授が基調講演で、団地再生に向けて話題提供した。

 団地内の高齢化とそれに伴う転居による空き家について、活用できるニーズを紹介。特に子育て世代がUターンで賃貸の入居を希望し、その後、同じ地区内で持ち家に住み替える傾向があるという。

 全国の事例では、戸建て団地内に賃貸集合住宅の建築に反対し、結果的に若者が地区に移住できない事例も指摘。「日本は人に貸す戸建てを念頭に置いていない。空き家はあながちだめではく、住宅を多様化することは悪いことではない」と述べ、事例を紹介した。

 慶応大大学院政策・メディア研究科の長瀬光市特任教授、市の高濱康亘都市整備部長らによる討論もあった。

 進行を務めた松園地区出身の伊藤夏樹さん(国交省国土交通政策研究所)は、▽住宅団地再生における多様性▽地区の環境や資源を強みとして生かす▽担い手である住民の参画、組織をどう作っていくか―をキーワードに挙げた。

 会場からの質疑では、松園中生徒会執行部の荒井心々愛さん(1年)が「中学生としてできることは何」と手を挙げた。大月教授は「子どもの視点ではなく、一市民として意見を言ってほしい。同時にお年寄りや違う立場の意見を聞いて」と激励した。

 荒井さんは松園に住んで約10年。「これからの松園を担うのは私たち。中学生が意見を出すことで小学生も意見を出すようになり、松園が進化していくと思う。立派でなくても少しずつでも自分から動きたい」と話し、WSに参加する考え。

 谷藤裕明市長は開会あいさつで、「市内の住宅団地再生の機運醸成とモデルケースとして発展につながることを祈念する」と、取り組みへ期待を寄せた。

 松園団地は1970年代に宅地造成が始まった。松園ニュータウン、サンタウン松園、グリーンパークが範囲。03年に1万8千人台だった人口は、18年に1万5千人を切っている。



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