2020年
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情感あふれる言葉残したい 八幡町の中谷眞也さん 盛岡弁の記録集出版 自ら口述のDVD付き

2020-11-11

「語り部が語る 盛岡弁ってこんな語り口」を出版した中谷眞也さん

 盛岡市八幡町の元県職員、中谷眞也さん(91)は、方言の口述記録(DVD付き)の記録集「語り部が語る 盛岡弁ってこんな語り口」を出版した。盛岡に生まれ育ち、日常的に盛岡弁を話してきた〝実話者〟という中谷さんが、自ら発音しながらつぶさに記録。「盛岡弁は相手と事柄によって言葉を使い分ける、多彩で情感あふれる言葉。実話者が減少しているいまこそ、自分たちの世代がしっかりと残しておきたい」と話す。

 盛岡弁(盛岡言葉)は、地域や職業によって言葉や使い方が違ってくる。中谷さんが生まれ育った八幡町や肴町は商人が多い町で、客に対する丁寧な言葉遣いを日常的に聞き、「優しい言葉だな」と感じていたという。

 6冊目の自著となる本書は、「盛岡弁の語り口 盛岡弁はこうしゃべる」(2011年)を大幅増補。新たに録音した音声を編集したDVD(2枚組)を第1部、音声記録と照合しながら、盛岡弁に理解を深められる文字記録(書籍版、B5判・220㌻)を第2部として構成した。話し言葉を重点にした自著3冊を補完して充実させ、「語り」の部分の集大成とした。

 音声記録と文字記録の共通項目は、「『盛岡弁らしい』語り口の〝根っこ〟~盛岡訛りの基本のさまざま」「盛岡弁の会話例」「盛岡弁で語る 詩、昔話、文学作品等」。

 盛岡弁の言葉の使い分けについては、話す相手によって4段階に分けて記録。共通語の動詞「来て」は、子ども同士や目下に対しては「こぉ」「あべぇ」、打ち解けた仲間内や家族では「おんでぇ」「きてけで」、大人の社交の丁寧な言葉では「おでんせ(しぇ)」「おでってくなんしぇ」などがある。大人の社交の言葉の中には、厳格な家庭で祖父母などに対して使う場合もあったという。

 盛岡弁の会話は、実際の人間関係や場面を想定して音声でも記録され、分かりやすい。

 「全国の言葉が共通言語化され、生活も同じようになってきているが、その中で『自分って何だろう』と考えるとき、方言について考え直す機会もくるのではないか。そのためにも、いい言葉遣いの盛岡弁をたくさん残しておきたい」と語る。

 本書は2400円(税別)、杜陵印刷。問い合わせは、中谷さん(電話019―623―6902)まで。



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