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盛岡三高文芸部 部誌&小説部門で最優秀賞 全国高校文芸コンクール

2020-12-05

「黎 第二十号」の最優秀賞受賞を喜ぶ盛岡三高文芸部

 第35回全国高校文芸コンクール(全国高校文化連盟など主催)の審査結果が発表された。本県からは小説部門で三浦麻名さん(盛岡三2年)の「巣立ちの季節」、部誌部門で盛岡三文芸部の「黎 第二十号」が最優秀賞・文部科学大臣賞に輝いた。

 同コンクールには小説、文芸評論、随筆(エッセー)、詩、短歌、俳句、文芸部誌の7部門に、各都道府県で選抜された計6642作品の応募があった。表彰式は新型コロナウイルスの影響で中止が決まっており、後日各校に賞状などが届けられる。その他の入賞者、入選者は次の通り。(盛岡地域のみ、敬称略、数字は学年)

 【小説】▽優秀賞・読売新聞社賞=兼平怜奈(盛岡四3)▽優秀賞=瀬川仁志(盛岡三2)西山綾乃(盛岡三3)小原花楓(同2)細川奎太(盛岡四3)▽優良賞=一戸玖瑠美(盛岡三2)鎌田めぐみ(盛岡二3)▽入選=村上あかり(盛岡四3)

 【詩】▽優秀賞=柳澤麗奈(盛岡三3)瀬川仁志(同2)▽優良賞=菊池結衣(盛岡二1)▽入選=渡邉愛実(同3)佐藤愛莉(同1)

 【短歌】▽優良賞=内川りん(盛岡三2)▽入選=国枝可愛(盛岡二3)高橋優凜(盛岡四2)細川奎太(同3)
 【俳句】▽優良賞=細川奎太(同)本宮大貴(盛岡三1)▽入選=兼平怜奈(盛岡四3)中牟田琉那(盛岡三1)

 【部誌】▽優秀賞=盛岡四文芸部▽奨励賞=盛岡一文学研究部

 盛岡三高文芸部(鈴木倫華部長、部員15人)の部誌「黎」は、今回が20号。3年生4人は入学時から意識してきた節目だった。鈴木部長(3年)は「重圧はあったけれど、結局、自分たちの作る部誌。納得できるものを作ろうと、やれるだけやった」と話し、部として3年ぶり4回目の最優秀賞の結果に安堵(あんど)する。

 同誌は3章構成で、各章に小説、随筆、俳句・短歌などの個人作品と企画を掲載した。1章の企画「高校文芸の20年」では、過去20年間の高校文芸の小説作品を読み込み、お勧めを紹介。さらに、全国の高校文芸部にアンケートを送り、その結果をまとめた。他校の作品を含む高校文芸そのものを研究し、課題に立ち向かう意欲あふれる企画となった。

 2章の企画は「連歌ノスタルジア」。短歌の上の句と下の句を異なる詠み手が詠み合う連歌を試合形式で行い、生まれた作品を掲載した。3章の企画は部員が各自、盛岡市内の街歩きをエッセーにまとめる「盛岡よーいどん」。短歌や写真も交えながら、神社やデパート、街角の動物や植物、食べ物などそれぞれの視点でつづっている。

 398㌻は歴代最大のボリューム。約1年かけて執筆・編集作業を進めてきたが、春先の休校など新型コロナウイルスの影響で思うように進められない時期も。

 鈴木部長は「『盛岡よーいどん』も、緊急事態宣言の解除を待って感染対策を徹底して行い、連歌も一つの会場に集まらずに、LINEでグループを作って送り合った」と振り返る。

 3年生は夏休み中も多忙だったが、夏季講習後に企画の話し合いを持ったり、作業を進めたりと時間をフル活用。そんな中、後輩たちは力をつけて個人作品を充実させ、多くの入賞・入選にもつながった。同部顧問の小玉豪教諭は「3年生が企画で引っ張って、2年生が作品で結果を出してくれた」と部員たちをねぎらう。

 「一度きりのこのメンバーでの部誌づくり。苦しくても、絶対妥協したくなかった」と鈴木部長。次の部誌づくりを始めている後輩たちには、「作品は読んでもらってのものだが、自分たちが何をしたいのか明確に持つことが大事。突き詰めて、悔いのないようやり切ってほしい」とエールを送った。


全国高校文芸コンクール小説部門で最優秀賞を受けた三浦麻名さん

 第35回全国高校文芸コンクールの小説部門で最優秀賞を受けた盛岡三文芸部の三浦麻名さん(2年)の「巣立ちの季節」は、代々続くリンゴ農家に生まれた主人公・まいが、家族や畑にすむフクロウとの関わりを経て、自分の意思で進む道を決めていく成長の物語。なんとなく決めていた進路に疑問が生じて揺らぐ気持ち、鮮やかな自然や大人たちとの関わりを臨場感たっぷりに描写し、夢を持って強く前進する姿を印象付けた。

 同校文芸部員の同部門最優秀賞は2年ぶり8回目。部での昼食時に結果を伝えられ、「全然予想していなくて、ぼーっとご飯を食べていたので、驚いた」と三浦さんは苦笑する。

 ニュース番組の特集で、リンゴ農家がフクロウの恩恵を受けていると知った時に、「すてきなモチーフになりそう」と着想。

 進路が明確でなく悩む自分の気持ちを、主人公に重ねた。部内で添削も受け、先輩からの助言をもとに、人物の内面の描き方を工夫したという。

 「小説の中だけでも明るい道が開けるラストにしたかった。自分を含め、進路に悩んでいる人に少しでも希望を感じてもらえたら」と思いを込める。

 「自分を投影して、いろいろな経験を自由にできる。考えや気持ちが整理され、自分の知らない自分がにじみ出てくる。新しい自分に出会える気がして面白い」と、書く楽しみを感じている。

 小説のほか、部活動で初めて経験した短歌や俳句の作品づくりにも魅力を見いだす。「ほかの部員の作品を読んで、書くことができるのはいまだけ。いろいろな分野を『つまみ食い』していきたい」と今後を見据えた。



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