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石川啄木トレビアンなお話 歌人の素顔に親しんで 山本玲子さん(八幡平市) クイズや小説仕立てに

2020-12-31

「石川啄木 トレビアンなお話」を出版した山本玲子さん

 石川啄木(1886―1912)の魅力を「啄木ソムリエ」として伝えている山本玲子さん(63)=八幡平市松尾寄木=が、「石川啄木 トレビアンなお話」を出版した。啄木のトレビアン(素敵)なエピソードをクイズ形式で紹介し、日記や手紙から人間啄木を浮かび上がらせて小説に仕立てるなど、新しい試みも。「啄木は悲喜哀楽を味わい尽くし、26年2カ月の生涯を閉じた。その素晴らしい人生や啄木の魅力を楽しんでもらえれば」と話す。

 本書は4章構成。「トリビアの部屋」(第1章)には、ラジオ番組「石川啄木うたごよみ」(IBC岩手放送)で10年間に取り上げたクイズ(約120問)から35問を厳選。「元旦の朝、啄木が慣習に従って行っていたことはなんでしょう」「家出から戻った節子さんと一緒に行ったところはどこでしょう」など、さまざまな逸話を収めた。

 山本さんが小説執筆に挑戦したのが「ストーリーの部屋」(第2章)。啄木が「平山良子」と女性を装った平山良太郎という男性と文通した出来事を題材にした「小説 啄木悲話」など4編を収録。日記や書簡などの資料を読み込み、書かれていない部分は想像で補って小説に仕立てた。

 「できるだけ資料に忠実に本来の啄木の姿から大きく離れないよう、一方で啄木に詳しくない人にも親しみを持ってもらえるよう」と書き上げた。小説への挑戦は、啄木を通じた人間研究に。「啄木の歌は、うそがない心の叫び。『悲喜哀楽を味わい尽くした人が英雄だ』という啄木の言葉があり、生きているからこそ味わわなければと啄木から勇気をもらった」と話す。

 「エッセイの部屋」「論考の部屋」(第3、第4章)には、山本さんが2013年に24年間務めた石川啄木記念館(盛岡市)を退職後、啄木が見たであろう風景を訪ね歩いたり、自由な立場で啄木についてつづった文章などを収録した。

 当初は20年6月に出版予定だったが、新型コロナウイルスの影響で他者とのコニュニケーションが減り、気持ちが落ち込んだ時期も。執筆も遅れたが、ラジオ番組に出版を心待ちにする声が届き、「皆さんの励ましで出版することができた。ラジオ番組が始まって10年、啄木の歌集『一握の砂』が発刊されて110年の節目の年に出すことができて良かった」と感謝する。

 「石川啄木 トレビアンなお話」はA5判、254㌻、ツーワンライフ出版、千円(税別)。県内の主な書店で扱っている。



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