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矢巾町出身水本圭治選手 延期をプラスに本番へ カヌーで東京五輪出場内定 地元への思い胸に

2021-01-01

不来方高の同級生で、東京五輪出場を目指す女子ホッケーの及川栞選手(右)と=20年10月20日

 県勢一番乗りで、東京五輪代表に内定した。新型コロナウイルス感染症の影響で、大会は延期となったが、「ただ上を目指して頑張る。延期をプラスにし、いまよりも強くなって本番を迎えたい」。矢巾町出身のカヌースプリント選手、水本圭治選手(32)=チョープロ(長崎県)所属、不来方高―大正大出=は闘志を燃やし続けている。

 不来方高入学と同時にカヌーを始めた。「日々新しい発見があり、競技を追求する奥深さがある。カヤックフォア(4人乗り)500㍍は、カヌーで一番スピードが出る。迫力も見てほしい」と、その魅力を語る。

 高校2年時の2005年、全国高校カヌー選手権優勝、国体準優勝の好成績を収めた。翌06年の全国高総体(インターハイ)ではカヌースプリント種目で4冠を達成した。「始めたときから、カヌーが大好き。部活がなくても、御所湖の艇庫に行って、カヌーに乗っていた」と、高校時代を回想する。

 高校卒業後も競技を継続。活躍は国内にとどまらず、10年の広州アジア大会では、松下桃太郎選手(自衛隊)とともに、男子カヤックペア200㍍で金メダルを獲得した。

 大学卒業後は、大正大の職員を経て、12年に県スポーツ専門員として長崎県に移住。17年からチョープロに所属。国内外の大会で続けて好成績を残すなど、着実に力を付けてきた。

 五輪への挑戦は、北京、ロンドン、リオデジャネイロに続き4度目だった。19年8月25日の世界選手権(ハンガリー)男子カヤックフォア500㍍で、水本選手を含む4人の日本代表チームが12位(アジア最上位)に入り、悲願の五輪出場権を獲得した。「レースでは、今度こそ(五輪に)行くという決意と、これまで逃してきた経験が頭をよぎった。ゴールした瞬間はうれしくもあり、ほっとした思いもあった」と心中を明かす。

 その後、新型コロナウイルス感染症の影響で、五輪が延期となった。水本選手は内定選手として、五輪本番に向けた練習を重ねている。

 20年9月の日本スプリント選手権(石川・木場潟カヌー競技場)では、カヤックフォア500㍍で優勝、カヤックシングル1000㍍で2位に入るなど、好調を保つ。

 「高校時代とはプレッシャーも違う。高校時代はやりたいようにやっていたが、いまは支えてくれる人に感謝を示せれば」と、競技への向き合い方にも変化が表れたという。

 五輪本番に向けては「ワクワクしている。多くの人に、カヌーをじかに見てもらえる。スポーツを通じ、いろいろな人の気持ちを動かしていける選手になりたい」と意気込む。

 矢巾町出身者では、水本選手が初めてのオリンピアンとなる。町では後援会を設立し、サポート体制を構築している。

 「応援してくれる人に感謝を伝えたい。夢や希望を与えられるレースをしたい。岩手から五輪に出ることができた。東京という場で、地元の期待に応えたい」。水本選手は、地元への思いを胸に、世界の舞台で戦いを挑む。
   (佐々木貴大)

    ◇

 2020年は、コロナ、コロナで明け暮れた。国民は、行動を制限され、つらい日々を強いられた。春夏の高校野球全国大会、インターハイをはじめとするスポーツイベントも中止になった。東京五輪・パラリンピックも1年延期に。コンサートなど多くの文化活動も見送りとなった。そんな状況下でも、「いまは雌伏のとき」と捉え、次なる飛躍を目指して切磋琢磨(せっさたくま)する人たちがいた。「明るい年」に向かって、はばたこうとしている人たちを紹介する。



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