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惜しまれ53年の歴史に幕 かわとく壱番館内丸店閉店 店舗などの集約化へ

2021-01-18

最終日に訪れたお客と笑顔で話す内丸店の従業員

 かわとく壱番館内丸店(盛岡市内丸)は17日、閉店した。経営する川徳(川村宗生社長)によると、店舗などの集約化が理由。取扱商品は、食品などが同市菜園のパルクアベニュー・カワトク(本店)地階、工芸品などは壱番館キューブ店に引き継がれる。消費行動の変化など、全国的に百貨店業界は厳しい環境の中、コロナ禍や岩手医大附属病院の移転の影響も受けた。常連らは、53年の歴史に幕を閉じる内丸店を惜しんだ。

 同店は1967(昭和42)年開店。南部鉄器や漆器、染織、木工など工芸品、銘菓や酒など地場産品を販売してきた。内丸店のみで取り扱う商品や、オリジナル商品の全国発信も。地域住民に限らず、官庁などオフィスエリアとして、贈答や土産物を買い求める客に親しまれた。

 先月26日からセールを始め、大勢が来店。17日も開店前から常連らが訪れ、客足は絶えなかった。

 盛岡市仙北に住む会社員の50歳代女性は「散歩コースになっていて、見るだけで楽しいのが、ついつい買ってしまう雰囲気のあるお店。よい商品が店内にぎゅっと詰まっていて、広さもちょうどよく、もったいない。川徳の商品は間違いないので、コロナはあるが川徳には頑張ってほしい」と閉店を惜しんだ。

 川徳は昨年3月、1社体制へ移行し、別会社だった壱番館も統合した。大船渡店と八戸店は昨年閉店した。

 百貨店業界をめぐる厳しい環境の中、新型コロナウイルスが追い打ちを掛け、臨時休業や営業時間短縮などを余儀なくされた。

 松原智栄子店長(49)は「地域密着型の店舗で、さみしくなると声をいただいた。コロナ禍でも、(来店数に)ほとんど影響がなかった。53年間、先輩たちのお客さまへの思いがお客様に伝わっていて、支えていただいたことに感謝している」と話した。

 前店長で壱番館一筋41年の瓜田久美子さん(60)は「入社当時、まだ盛岡にクラフト(工芸品)が少ない中、先輩たちが勉強してきたのを見て、自分も勉強した。もの作りが好きで、作り手の元に足を運んだ。地元の方たちとつながり、それがお客さまとつながった。内丸店は閉店するが、本店やキューブ店でお待ちしている」と呼び掛けている。

 内丸店は閉店後、設備などの撤去作業に入る。入居する県水産会館を管理する県漁連によると、今後の活用などは現時点で白紙の状態だという。



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