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読みたい本との出合い創出 盛岡市都南図書館 青春(アオハル)文庫新設 中高生の読書離れに対応 展示方法も工夫 貸し出し数増加

2021-01-26

中高生向けの新着図書が並ぶ盛岡市都南図書館の「青春(アオハル)文庫」

 多感な中高生らの心に本を届けたい―。盛岡市永井の市都南図書館(猿川由子館長)は中高生のための蔵書を増やし、「青春(アオハル)文庫」を新設した。小、中、高校と学年が上がるにつれて読書冊数が減る傾向にある中、1冊の本の魅力が伝わるよう展示も工夫した。同館では、「中高生の〝読書離れ〟が叫ばれているが、読みたい本との出合いがあれば興味もわく。気軽に利用してほしい」と呼び掛けている。

 「青春文庫」は2階閲覧室にあり、ヤングアダルト(YA)新着資料展示スペースとして、昨年12月に新設。中高生に人気の作家の小説や歴史漫画、部活をはじめとする学校生活や将来の仕事、自然科学など多ジャンルの図書をそろえた。

 図書奉仕員の菅野恵子さん(58)が中心になって選書。「10代が向き合っていることを、さまざまな表現で表している本を幅広く選んだ。親しみをもってもらえるのでは」と話す。

 これまでのYAコーナーは書架で背表紙しか見えなかったが、平台の上に表紙が見えるような「面だし」の展示を多用。表紙画像を添えた紹介文も多数掲示し、貸出中の本も確認できるようにした。

 開設のきっかけは、県の「子どもの読書状況調査」。不読者(1カ月で1冊も本を読まなかった児童生徒)の割合が近年、中高生は減少傾向にあるものの、19年度に小学生は1・0%だったのに対し、中学生は3・8%、高校生は15・6%と学年が上がるにつれ割合が高かった。

 また、18年度の同調査で、「1カ月で1冊も本を読まなかった理由」として、中学生の34%、高校生の28%が「読みたい本が見あたらない」を挙げ、「スポ少・部活が忙しい」(中学生23%、高校生24%)を上回り、最多だった。

 「読みたい本があれば、本を手に取ってもらえる」と、同館の藤原禎久主査(45)。職員間でアイデアを出し合い、20年度は全体の図書購入費の中でYA関連の割合を大きくし、前年度の約3倍の購入費を確保。約230冊の図書を購入した。

 コーナーを設置した20年12月19日から21年1月18日までの13~18歳の貸し出し点数は、前年同期487点から516点へ、5・9%増加。新型コロナウイルス感染症などの影響で、全体の貸し出し点数が前年度2万296点から1万7820点と、12・2%減少する中、「アオハル世代」の利用増に手応えを感じている。

 同館は「青春文庫」開設のポスターを作成し、盛岡市南部の中高校に郵送。藤原主査は「学校図書館とも連携しながら、地域の図書館としてできることに取り組んでいく」と語る。

 2月2日から14日までは、岩手の読書週間行事「青春文庫」企画展を開く。午前9時から午後6時(土・日・祝は同5時)まで。月曜休館。電話019―637―3636。



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