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最後の災害公営入居開始へ 県営南青山アパート 鍵受け取り引っ越し 建物内に支援拠点 地域支え、ともに盛り上げ

2021-02-12

交流会で同じ班の仲間と顔を合わせる入居者たち

 東日本大震災津波で被災し、内陸に移住した沿岸出身者らの災害公営住宅・県営南青山アパート(4棟99戸)の完成式が11日、行われた。各世帯に鍵が引き渡され、早速引っ越しを始める家族もいた。同日は併設の集会所「森のテラス」、もりおか復興支援センターの北西部拠点となる「青山コミュニティ番屋」もお披露目された。発災10年まで1カ月を前に、県内で最後の災害公営住宅で順次入居が始まった。移住者は地域住民らに迎えられ、新天地で生活をスタートさせる。

 完成に伴い、65世帯が入居。11日はこのうち、55世帯が鍵を受け取った。早速、新居に足を運んで間取りや設備を確かめたり、家財道具などを運び込んだりする家族もいた。

 達増知事は式で「県立大、もりおか復興支援センター、県の3者で、入居者と地域住民がともに安心して暮らせる地域づくりを目指し、南青山を拠点とした地域コミュニティー形成の共同研究を進めている。成果を踏まえて、地域の活性化を行う」と述べ、「切れ目のない復興支援」を強調した。

 入居者代表の湊洋子さん(79)へ鍵のレプリカを贈呈した。


初めて部屋に入り、設備などを確認する湊さん

 湊さんはその後の交流会で、同じ棟で一緒の班になる仲間と顔を合わせた。共益費、管理人や班長選出の説明を受け、駐車場所が決まった。本物の鍵を受け取ると、初めて新居へ。間取りや最新の設備などを確認し、「いままで近代的な部屋に住んでいないので、お隣さんに教えてもらわないと」と笑った。引っ越しは18日の予定。

 陸前高田市出身。発災後、盛岡市のみなし仮設住宅で生活。入居を心待ちにしていた夫は昨年、83歳で他界した。「地域の皆さんにお世話になりながら、みんなで支え合っていきたい。隣近所の皆さんは同じ(被災した)境遇の方たち。新しい生活が楽しみ」。

 アパートの中央に位置する森のテラス前では、2号棟1階の青山コミュニティ番屋のお披露目会があった。宮古市の山口太鼓の会の演奏が新拠点の開所に花を添えた。

 番屋には、生活支援相談員の加藤昭一さんら男女5人が常駐。内丸の復興支援センターと機能を分担。同じ災害公営住宅で月が丘にある県営備後第1アパートを含む入居者や北西部の沿岸出身者らの生活支援、地域コミュニティー形成を担う。

 地元・南青山町町内会の遠藤荘一会長(79)は「皆さんが震災から10年経過して入居に至るご苦労やお気持ちは大変なものだと思う。慣れないまちだろうが、皆さんと一緒に安全安心、健康で明るいまちにしたい。盛り上げるため町内会に協力を」と呼び掛けた。

 県県土整備部によると、県内の災害公営住宅は南青山を含め全216地区5833戸(うち内陸12地域283戸)。内訳は県整備分が2827戸、市町村整備分が3006戸。昨年12月現在の入居率は90・49%。

 南青山は完成時期が遅れ、生活設計の変更を余儀なくされるなどして、当初計画118戸から19戸減った。所得が入居要件を満たせず別の住まいを選択した世帯、高齢に伴い施設入所や親族に身を寄せた人もいた。

 残る34戸については、被災者を対象に追加募集を始めている。



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