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AI使い顔から本物に迫る 11月までに完成目指す 原敬の音声再現 県立大が中間発表

2021-02-17

原敬の音声再現の試みについて中間発表する榑松准教授

 盛岡出身の政治家で第19代内閣総理大臣・原敬(1856―1921)の100回忌記念事業として進められている、原の音声再現の試みについて、16日に中間発表が行われた。研究を主導する県立大ソフトウェア情報学部・槫松理樹准教授が説明。人工知能(AI)技術を用い、顔の違いによる声色の変化を推定するモデルを生成し、元ある声から「原の声」へ変換する試みだ。新型コロナウイルスの影響で進行が遅延していたが、101回忌の11月4日までに完成を目指すとしている。

 再現には機械学習と呼ばれるAI分野の技術を活用した。男性政治家33人の顔と声のサンプルを用意し、顔のパーツの距離などを座標として数値化。基準とする人の顔・声と比較し、顔の違いでどのように声が変化するかをAIに学習させ、モデル化した。そのモデルを用い、元となる声を加工。声の高さ、抑揚、周波数のピークなどを推定した「原の声」を再現したという。

 加えて、原の話し方などに言及した文献を参照。「声が低い」「抑揚がない」などの特徴を与え、より再現度を高めたという。

 再現の妥当性を確認するため、同様の手法で谷藤裕明盛岡市長の声も再現した。周波数の特徴など、一定の再現ができたという。

 槫松准教授(53)は「(完成度は)個人的にはまだ60%。今後も精度を上げ、100人が聞いて70人が似ていると思うような形にしたい」と話す。

 今後については「(サンプル)データを増やしたり、AIの調整などをして声質を向上させたい。将来的には(声の加工ではなく人工的に声を作る)合成音声による柔軟なシステムも作れたら」と展望した。

 この試みは、原敬100回忌記念事業実行委員会(委員長・谷藤市長)が企画。原の音声資料は現存しないことから、県立大と協力して進められている。偉人の音声再現は声優起用などが一般的で、先端技術を駆使した試みはまれという。完成後は原敬記念館にディスプレーを設置し、小中学生から募集した原に関する質問に回答する、Q&Aシステムの形式で公開予定。



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