2021年
4月23日(金)

全文を読む

デザインに研究成果生かす 北舘製麺のそばのパッケージ 岩手大生の書採用される

2021-03-16

 北舘製麺の「更科そば」「八割そば」の商品パッケージに研究成果を生かした岩手大の久保田准教授、伊藤さん、田中教授、山田助教

 八幡平市叺田の北舘製麺(北舘充史社長)の商品のパッケージに、岩手大人文社会科学部人間文化課程(芸術文化)の伊藤瑞紀さん、山道和花さん(いずれも3年)の書が採用された。同大の教授、助教らが学部を超えて連携し、「視線計測」などの研究成果をデザインに生かした。商品の魅力を視覚的に伝えている。

 新たなパッケージで発売されるのは、「更科そば」(税別350円)、「八割そば」(同450円)の2種類で、いずれも国産そば粉を使用した細打ち麺が特徴。贈答品にも適した高級そばで、首都圏を中心に販売される。

 岩手大と同社は、2020年にも共同で商品パッケージを開発。前商品とデザインの統一性を保ちながら、「どのような書体・背景であれば、たくさんの商品の中から選んでもらえるのか」と、アイトラッカー(人の目の動きを捉えるセンサー)を活用して最適な色や書体を選定した。

 理工学部システム創成工学科機械科学コースの山田香織助教(36)が中心になり、市販されている同ジャンルの商品や同じデザインで色違いの商品サンプルを並べ、どのパッケージが人の目に留まっているか、3度の実験を実施。同大職員と学生に実施したアンケートと組み合わせ、「購入したい」「高級感がある」との回答が多かったデザインから絞り込んで同社に提案し、決定した。

 最もポイントの高かった黒背景に金文字のデザインが「八割そば」に。商品の違いを出すため、「更科そば」は白地に黒の文字を採用した。

 デザインの決定を受け、「更科そば」の文字を書いた伊藤さん(21)は「更科のイメージから最初は細字で書いていたが、八割そばが横に並んだときのバランスを考えて、少し力強さも出した」。雰囲気を近づけながらも商品の違いを出すため、途中から「八割」担当の山道さんと二人並んで制作。「2人で一つの商品が世に出るのはうれしい」と達成感をにじませる。

 書道の指導にあたった久保田陽子人文社会科学部准教授(50)は「中国と日本の古典を基にした書表現で審美眼や技術を培うとともに、(作品制作以外の)学びの多様性が分かったことが収穫」とうなずく。

 北舘製麺の北舘大輔専務(50)は「白と黒を背景にした筆文字はインパクトがあり、統一感のあるデザインは社内でも好評だ。商品のこだわりである国産・細麺も表現されている」とこれからの販売に手応え。

 デザイン全般に関わった同学部の田中隆充教授(52)は「社会との関わりを考えることで学生の視野が広がった。筆文字の価値を企業の方々に理解してもらうきっかけにもなれば」と期待を込めた。

 両商品は首都圏を中心に15日から販売。盛岡市内ではカワトクデパート、らら・いわて盛岡店などで取り扱われる予定。



前の画面に戻る

過去のトピックス