2021年
4月23日(金)

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古文書通じた出会いに感謝 滝沢市の藤沢昭子さん 歴史教室の講師にひと区切り 最終講座は大型紙芝居の上演

2021-04-07

 滝沢市睦大学歴史教室で制作した大型紙芝居「お山が燃えている」を背にする藤沢昭子さん。「16年間、受講生の皆さんに見守ってもらった」と感謝する

 滝沢市大石渡の藤沢昭子さん(76)は、16年間務めてきた高齢者講座・滝沢市睦大学の歴史教室の講師を2020年度で退任した。2月22日の最終講座では、2019年から生徒と作り上げてきた大型紙芝居「お山が燃えている」を上演し、「座学だけではなく、体を動かして体験、参加しよう」をモットーにした講座を締めくくった。藤沢さんは「講師という立場を与えられたことで、(研究活動も)引っ込んでいられなかった。みんなに見守ってもらいながら生かされた」と感謝する。

 紙芝居は、江戸時代の1686(貞享3)年3月3日の岩手山噴火を題材にしたもので、戸板に布の貼り絵で15枚(場面)を表現した。後の焼走り溶岩噴出につながる1686年岩手山噴火について、旧南部藩の史書「内史略」などに記述はあるが、史料は少ないという。

 制作には、月1回の歴史教室に参加してきた受講生約70人が関わり、史料の読み込みや紙芝居の材料となる着物・帯地の収集、各場面の貼り絵作りに取り組んできた。

 紙芝居の音声は藤沢さんがナレーションを務め、南部大膳太夫重信、百姓右衛門三郎らキャストは受講生らが演じた。岩手山が噴火する音や馬のひづめの音など効果音も入れ、約1年かけて完成。一般にも公開する予定だったが、藤沢さんの入院加療やコロナ禍により、初演が先延ばしになっていた。

 藤沢さんは、盛岡市下飯岡出身。高校の歴史の先生に見せてもらった古文書に興味を持ち、立正大学文学部史学科に学ぶ。神奈川県庁の県史編さん室、県文化財愛護協会の「内史略」の解読に関わった。1978年ごろからは、盛岡市内で「紙魚(しみ)の会」と題して学習会を開き、古文書を学ぶ面白さを市民に伝えた。

 2005年度から講師を務める睦大学歴史教室では、史料を基にした大型紙芝居や布絵の巻物の共同制作のほか、甲冑(かっちゅう)を借りてきて着用体験をしたこともある。

 同講師は退任したが、藤沢さんが主宰する「古文書・民俗の会」は当面の間続ける予定。「古文書というと難しいと思われがちだが、みんなで笑って楽しもうということに力を注ぎ、それを受け入れてもらえた」と16年を振り返り、「コロナ禍で実現していない、一般の人たちへの『お山が燃えている』の上演をはじめ、古文書・民俗の分野で自分にできることがあれば力を尽くしたい」と話す。



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