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福島第一原発に行ってみた 「のびあ」の高橋真樹さんが刊行 参加した視察の記録 「関心持つきっかけになれば」

2021-07-22

電子書籍「福島第一原発に行ってみた」を刊行した高橋さん

 企画会社「のびあ」代表取締役の高橋真樹さん(56)=滝沢市=が、電子書籍「福島第一原発に行ってみた」を刊行した。2019年12月に、東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)が主催する、支援団体向けの東京電力福島第一原発の視察に参加した際のことを記録。「福島原発の問題は原発賛成・反対の対立の道具にされがちで、一般の人にはできれば避けて通りたいことかもしれない。けれど、すぐに解決するものではなく、少しでも関心を持ってもらうきっかけになれば」と思いを込める。

 同著は、第1章「2019年12月10日 福島第一原発に行ってみた」と第2章「2017年2月25日 福島第一原発20㌔圏内視察ツアー」の2部構成。第2章は、のびあが17年に旅行代理店と共同で開催した、原発20㌔圏内への視察の記録を掲載している。

 高橋さんは東日本大震災後、イベント「5月3日が盛岡大通へ行こう」を企画して出店料や寄付金を被災自治体に寄付し、7回にわたり「復興応援バスツアー」も実施。

 17年の20㌔圏内視察ツアーの際、参加者から「次は福島第一原発の中に行くツアーを」との声もあった。

 当時、原発の敷地内を視察する方法は見当がつかなかった高橋さん。その後、支援活動で関わるNPO法人いわて連携復興センターのメールマガジンで知ったのが、JCNの視察だった。

 支援者対象の視察とあり、活動内容など必要事項をまとめて応募し、参加することに。現在は原発周辺住民をはじめ、限られた人の視察しか認められていないことも知った。

 高橋さんは執筆に当たり、視察当日の流れや視察に持ち込めるものから詳細に書くことを意識。「福島原発視察の記録は、専門家やマスコミ、著名人によるものなど多くあるが、どれも現地に着いた瞬間から始まっている。どうやって行くかなど、私自身が疑問に思っていたあたりから書きたいと思った」と語る。

 敷地内の96%は防護服が必要ないこと、広大な敷地の中に廃炉作業の中で生じた大量の放射性廃棄物が保管されていることなど、視察の中で見聞きし、印象に残ったことを整理して、率直に記している。

 視察の中では、原発で働く人々の姿も見た。「原発の中ではいまも4千人近い人たちが働き、廃炉への細分化された作業に当たっている。あの人たちには日常で、自分たちの代では解決できないだろうことを一生懸命やっているんだという感覚」と振り返る。

 廃炉作業は30~40年かかると言われる中、高橋さんは、もっと一般人が原発内部を視察できればとの考えも持つ。「観光のネタにするなという声はあると思うが、普通の人が見られる方法がもう少しあればいい。自然エネルギーや脱炭素を議論する上でも、見る必要がある場所」と語る。

 高橋さんにとって、電子書籍の刊行は同著が初めて。「分かりやすく書いたつもりなので、目を通してもらえたら」と話している。

 同著は税込み800円。パソコンやスマートフォン、タブレットなどから、kindle電子書籍リーダー(無料)をインストールして購入できる。



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