2021年
9月20日(月)

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着物のリメークに活路 ファッションセンター盛岡 自社製品ブランド化 安心して働ける環境へ

2021-08-14

着なくなった着物のリメーク事業を始めたファッションセンター盛岡の山口洋子社長

 創業45年を迎える婦人服製造のファッションセンター盛岡(盛岡市中央通2丁目、山口洋子社長)は、コロナ禍によるアパレル不況が叫ばれる中、積み重ねてきた縫製技術を生かした着物のリメーク事業に活路を見いだしている。「もったいない」という視点から生まれた自社製品のブランド化には、介護離職を防ぐなど、社員が安心して働ける環境づくりへの対応もある。山口社長(67)は「人々の思いがこもった着物も、それを着る人も作る人も、生きがいを見つけられるような製品にしていきたい」と願う。

 「着物に込められた50年、60年前の人たちの優れた技術。着なくなったからといって、それを現代に生かさないのはもったいない」。着物のリメークは4月ころから、試験的にスタート。まとまった数の着物の寄付を受けたことから、多彩な柄を生かしたワンピース、ブラウス、かばんなどを製作。完成品の販売もしているが、今後は、持ち込んだ古着物を好きなデザインで仕立てるオーダーも受け付ける。

 「ご先祖様やおばあちゃんの大切な着物。着ないから手放すのではなく、形を変えて残すことで、そばに置いておけるお手伝いがしたい」と山口社長。着物のリメークは洗い張り(あらいばり)の作業などを含め、ワンピース1着で3万円くらいから。

 自社製品の製造は、一人で1着を担当することができるため、自宅でも作業が可能。アパレル会社からの受注生産は納期があるため、介護しながら仕事を続けることに不安を持つ社員もいた。

 自社製品であれば、若干の余裕がある。高い技術を持つ社員が、育児や介護で仕事を離れ、収入が減ることで将来の生活に不安を抱くことを防ぎたかった。

 同社は、1976年創業。主に婦人服の製造を手掛け、アパレル会社からの受注生産を主力事業としてきた。国家資格である「婦人子供服製造技能士」の上級資格、ものづくりマイスターの取得を促すなど、社員の技術向上も支援してきた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で百貨店が休業した影響は大きく、同社のアパレル関連の仕事の割合も、コロナ前の70~80%から約20%となった。約10人の縫製スタッフのうち、3~4人がリメーク事業に関わる。

 山口社長は、1日も早いコロナの収束を願いつつ、「これまでお世話になったアパレルの方々と一緒に歩みながら、リメークや日本の文化・技術を伝える活動など、余白の部分を育てていって、二本足でしっかりと立てるようになりたい」と前を見据える。

 着物のリメークなど問い合わせは、電話019-654-4155。



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