2021年
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田んぼダムの効果検証 矢巾町が実証実験 下流域のリスク低減へ 取り組み面積の拡大図り

2021-08-18

田んぼダム実証実験現地での説明会の様子=7月29日(矢巾町提供)

 矢巾町は2021年度から、利水事業の一環として「田んぼダム」の導入に向けた実証実験を行っている。豪雨時に、水田に一時的に雨水をとどめることで、下流域の浸水被害のリスク低減を図る。町によると、自治体主導で田んぼダムの導入に向けた実証実験を行うのは、盛岡地域では初めてという。今年度は、煙山地区の水田4ほ場(2万6809平方㍍)で実証実験を進めている。田んぼダムは取り組み面積に応じ効果が増大することから、町では22年度以降、町内の水稲耕作者に対し実証実験の効果を周知し、取り組み面積の拡大を図る方針。

 実証実験では、水田の排水口に簡易的な調整器具を設置し、水田の水深を、水稲の育成に影響が少ないとされる15~20㌢増加させ、排水速度を抑制する。装置は、中央部の高さを調整することで排水量の調整ができる仕組みになっている。排水溝部分への固定方法や、長期間屋外で使用することによる劣化度合いなども検証する。


水田の排水口に設置する調整器具を持つ町産業観光課の職員

 町によると、町内の水田耕作面積は1530万2543平方㍍。豪雨時に水田の水深を20㌢深めた場合、町内の水田では煙山ダム(総貯水量141万立方㍍)2杯分に相当する約290万立方㍍を留め置くことができ、排水路や河川、下流域への流出量を低減することができるという。

 田んぼダムは、農家が簡単に始められる地域防災の取り組みとして、2002年に新潟県の旧神林村(現村上市)で始まった。

 矢巾町では、2013年8月9日の豪雨災害に代表されるように、降雨量の増大や水害の甚大化が予想されることから、新たな治水事業として田んぼダムの導入を目指している。所管する町産業観光課では「農業が下流域の防災につながる取り組みであり、今後は農家の理解を得ながら、対象地域を拡大していきたい」と話している。



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