2021年
9月20日(月)

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八幡平にアートスペース開設 亡き父のアトリエ改修 滝沢の高杉隆さん 新たな出会い願って

2021-08-31

八幡平市松尾寄木に「Art+half studio」をオープンし、自身の新作を展示している高杉隆さん

 八幡平市松尾寄木1地割に、芸術を通じた人と人との出会いを目指す「Art+half studio(アートプラスハーフスタジオ)」が開設した。滝沢市で制作活動する高杉隆さん(49)が、美術教員だった父親の故・高杉克己さん(2012年に70歳で死去)のアトリエを改修し、7月にオープンした。「half(半分)は芸術。残りの半分で人と人とをつなぐ、何かが生まれれば」と、新たな出会いを楽しみにする。

 旧アトリエは、故・克己さんが「アトリエMоkkо(もっこ)」と名付け、晩年の10年ほど制作の拠点としていた。

 克己さん亡き後、一時は手放すことも考えたが、20代後半から絵画制作を始めた高杉さんが活用。ギャラリーとして使用できるよう仕切りを設置するなど、1年半ほどかけて改修した。山小屋風で天井の高い、仕切りのない造りだったが、壁面のある20畳ほどのスペースが生まれた。

 オープン記念として9月5日まで、自身の個展「網膜から網膜」を開催。2021年に制作した油彩、ミクスドメディア(混合技法)の平面28点を展示している。


木立の中にあるスタジオ。手作り看板が目印

 具体的なモチーフは描かれていないが、街を歩いているときや移動中、「いいな」と目に留まったものに着想。古びた看板や?がれたかけたポスターなど、作者自身も「なぜ引かれるのか説明できない」ものばかり。目で認識したときの印象をそのまま、作為を加えずに絵画に表そうと試みている。

 故・克己さんは、秋田県鹿角市出身で、岩手大教育学部特設美術科を卒業後、県内の高校の教員をしながら油彩、版画などを制作。定年を待たずに、盛岡商高で教職を終えた後は、お気に入りの同アトリエにこもって制作することが多かったという。

 教え子や絵画仲間が盛岡市内で開いた遺作展には約100点の作品が展示されたが、そのほかにも多くの作品が残っている。

 「本当は(作家として)絵一本で生活していきたかったかもしれないし、まだまだやりたかったこともあると思う。もともとは父のアトリエなので、教え子の方々や多くの皆さんに残された作品を見ていただく機会も作りたい」と話す。

 同スタジオでは今後、要望があれば地元作家らの作品も展示していく考え。盛岡市内からは車で45分ほどの距離があるが、周囲の自然環境を生かした企画も考えていきたいという。

 同スタジオは、松尾寄木1の558の3。午前11時から午後5時(木曜は同4時まで)、月・火曜日定休。電話080―8205―1562。



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