2021年
11月27日(土)

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素粒子物理学で成果 鈴木厚人県立大学長 21年度文化功労者に 「遠い目標が評価された」

2021-10-27

学生や教職員と記念写真に収まる県立大・鈴木厚人学長(前列中央)

 素粒子研究の先駆者である県立大学長の鈴木厚人氏(75)が、2021年度の文化功労者に選ばれた。26日に政府の発表があり、滝沢市の同大キャンパスで花束の贈呈を受けた鈴木氏は「ニュートリノの研究には希望がある、その先があると思ってやってきた。遠い目標だったものが評価されてうれしい」と喜びを表した。

 鈴木氏は、素粒子の実験装置「カミオカンデ」「カムランド」の建設・実験に携わり、素粒子の一つ「ニュートリノ」の振動現象を観測するなど、世界の素粒子物理学で画期的な成果を上げた。

 2015年4月に県立大学長就任。本県の北上山地(北上高地)が有力な候補地となっている超大型加速器・国際リニアコライダー(ILC)の誘致活動もけん引している。

 同日午前の発表を受け、学生や教職員に拍手で迎えられた鈴木氏は「カミオンデ、スーパーカミオカンデ、カムランドと、35歳から60歳の約25年間のほとんどは神岡鉱山の中だった。暗いだけではなく、その先にはこういう明るい世界があると初めて分かった」と晴れやかな笑顔であいさつした。

 ニュートリノの研究について「直接の社会、生活に貢献するのは先になるかもしれないが、宇宙の成り立ちと、これからの宇宙がどう進んでいくのかに関しては分かってきているので、宇宙規模の課題への研究になっていく」と話し、ILC実現に向けて「世界は待っていない。1年くらいで何らかの方向性を示してもらい、突破口を開けたい」とした。

 学生ら若い世代に対して、「近い将来を何とかしようではなく、目的は遠いけれど、いまやらなければならないことに突き進んでほしい。まさに、実験屋の発想だが、いま大事なことに飛び付いていくこと」とメッセージを送った。

 鈴木氏は、新潟市出身。新潟大理学部物理学科卒、東北大大学院理学研究科博士課程修了。東京大物理学部理学科助手、東北大副学長などを経て、高エネルギー加速器研究機構長(06~15年)。15年に「ニュートリノ振動の発見と研究」が基礎物理学ブレークスルー賞受賞(カムランド・グループ受賞)。



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