2021年
11月27日(土)

全文を読む

故・村上博子さんのろうけつ染めを南昌荘に カキツバタの屏風など 息子の万治さんら 「季節の移ろい感じる場所」

2021-11-10

故・村上博子さんの「四季のかきつばた」(びょうぶ)、「タージマハール」を南昌荘に寄贈した村上万治さんと千秋さん(左から)

 盛岡市浅岸の村上万治さん(66)と、長女でソプラノ歌手の村上千秋さん(32)=東京都=は、村上さんの母の故・村上博子さん(2020年3月に92歳で死去)のろうけつ染めの作品を、いわて生協が管理する市指定保護庭園・南昌荘(盛岡市清水町)に寄贈した。盛岡市の花カキツバタを描いた屏風(びょうぶ)などで、千秋さんは「季節の移ろいを感じられる場所で、多くの方に見ていただける機会になればうれしい」と期待を寄せる。

 寄贈作品は、「四季のかきつばた」シリーズより、びょうぶに仕立てた1点(1989~90年ころ制作)と世界遺産のタージ・マハルとバラの花で構成した「タージマハール」(2002年、第33回岩手工芸美術展出品)の額絵など合わせて3点。

 「四季のかきつばた」シリーズは、故・博子さんが自宅のふすま絵にしたり、盛岡芸術祭美術展(工芸部門)に出品して市長賞(90年)を受賞するなど、思い入れのあるシリーズ。「美しい庭園がある南昌荘にぴったり」と、村上さんが選んだ。

 故・博子さんは大船渡市(旧三陸町)生まれ。県立高田高等女学校(現高田高)卒。95年に第21回東北現代工芸美術展で初入選、96年に同展で宮城県知事賞。97年に第36回日本現代工芸美術展で初入選、以後入選を重ね、現代工芸美術家協会東北会会員。ほかに岩手工芸美術協会の会員。

 寄贈のきっかけは、孫の千秋さんが10月、トランペットの佐々木駿さん(盛岡市出身)らと同邸でコンサートを企画し、村上さんらが会場の下見に行ったこと。

 明治期に建てられた邸宅に、自然の草花を多く描いた博子さんの作品が合うと感じ、いわて生協南昌荘担当の牧野典子さん(65)に相談。受け入れが決まった。

 寄贈作品は、10月10日に開かれたコンサートの際、館内に展示され、多くの来館者が鑑賞した。故・博子さんの作品は、村上さんの自宅に20点以上残っており、今後機会を見て展示もしたいという。

 ミラノに留学経験があり、イタリア歌曲を中心に演奏活動してきた千秋さんは「美術と音楽、ジャンルが違っても、祖母の作品を通じて日本の花の美しさなどに気付く瞬間があった」。

 日本の歌曲を歌ってみたいという気持ちも高まり、「南昌荘のように、ホール以外の身近な場所でも演奏の機会を作っていきたい」と思いを語った。



前の画面に戻る

過去のトピックス