2021年
11月27日(土)

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アートでつながろう(中) 芸術家の出発点に ギャラリーヒロ 個展は初めてが多く 作家同士がつながる場にも

2021-11-12

 ■川のほとりの画廊 すぐ近くを刈屋川が流れる風光明媚(めいび)な場所にあるギャラリーヒロ(宮古市茂市3の204の5)。塗装業を営み、独自のペンキアートの表現を行う安部博さん(72)が2014年に開設。以来、宮古市内を中心に県内外の芸術家が作品を発表している。

芸術に触れ、人と出会う温かな空間を作り出す安部さん


 絵画をはじめ写真、創作人形、きものリメーク、押し花など多種多様な展示会に加え、ギターのコンサートも開催。安部さんは「ここで個展をする人の多くは初個展で、その後に盛岡や仙台でやる人もいる。ここが芸術家の出発点になってほしい」とほほ笑む。

 ■書の個展を開催中

 14日までは、今年最後の展示として宮古市在住の書家、菅野華翠さん(58)が個展を開催中。菅野さんは書道塾「華翠塾」代表。複数の書道や筆ペンのサークルで講師を務め、同ギャラリーでの個展は2回目。自詠の五行歌や禅語、同市の美術家とのコラボレーション作品など計24点を展示している。

 コラボ作品は、ギャラリーオーナー安部さん、ボールペン画家の盛合崇さん、水彩画家の澤田学さんと共同制作。菅野さんが紺の紙に金字で「龍神祝詞」を書いたものに、盛合さんが金色のペンで竜を描くなど、作家同士の技が響き合う。


自詠の五行歌など、心に届く書作品を展示している菅野さん

 菅野さんは「コラボによって互いにアイデアが浮かび、触発されるように、一人では作れない作品ができる」と化学反応を楽しむ。

 13年から五行歌に親しみ、自身の思いをつづった歌を詠んでいる。自詠の歌を書く作品は、書作品としての出来も重視。

 「墨の入り方やかすれ、文字の配列、余白、墨の色や紙の質によっても変わる。表現したいものにピタッと合うと、展示してもいいと思う」と菅野さん。

 「作品に共感し、内容に重ねて自分のことを話してくれる人もいる。読めて、心にしみて、書の良さも感じてもらえる五行歌であれば」と、自由な鑑賞を期待している。

 ■人のつながる場所

 安部さんはかつて、同市田老に暮らした頃から、知人らの集う小さなギャラリーを設けていた。現在地に移り、「どうせやるなら大きくやろう」とギャラリーヒロを開設。コーヒーなどを提供するミニ喫茶も始めた。

 しかし、この2年ほどは、新型コロナウイルスの影響が大きかった。展示はキャンセルになり、人を迎えられない日々が続いた。

 展示が再開されたいま、安部さんは「皆さんがまた活動してくれれば。人がたくさん来てくれるとうれしい」と願う。

 作家たちがこの場で意気投合する様子も見守る。「作家同士のつながる場所でもある。宮古の人は恥ずかしがり屋だが、誰かと一緒にやるときは積極的になる。人のつながりが第一」と笑顔で語った。

 午前10時から午後5時。水、木曜定休。問い合わせは電話0193―65―7200まで。入場無料。

 同ギャラリーは、菅野さんの個展を最後に年内の展示を終え、冬休みに入る。次回は来年1月22日から2月6日まで、宮古市在住の山本美保さんが手作り品を展示販売する作品展を予定している。
   (相原礼以奈)



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