2021年
11月27日(土)

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「ガラスの中の小宇宙」紹介 とんぼ玉作家の畠山貞男さん 土日限定で一般公開 八幡平市松尾の工房を改修

2021-11-19

畠山定男さんが自作のとんぼ玉を並べ、土日に公開している「ギャラリーぼんと」

 八幡平市松尾寄木のとんぼ玉作家、畠山定男さん(68)は、開設して21年になる工房「ギャラリーぼんと」を改修し、土日限定で一般に公開している。「2~3㌢のガラスの中にある小宇宙」と、とんぼ玉の魅力に触れる畠山さん。常時2千点以上を展示し、同市出身の画家、故ゴトウ・シュウさんの作品も飾った。自然に囲まれた独創的な空間になり、「とんぼ玉に興味を持ってくれる人が増えれば。八幡平の散策のついでに立ち寄ってもらえればうれしい」と話す。

 とんぼ玉は、かんざしや帯留め、根付けに使われるなど日本で親しまれてきたガラス工芸。

 畠山さんは、関東で会社勤めをしていたころにとんぼ玉に出合い、ガラスの中に閉じ込めたパーツが水中花のように美しく開くさまに魅了された。首都圏で美術館巡りを楽しみ、当時は絵画も描いていたが、作家としての独立を目指して、とんぼ玉作りに集中。2000年、古里の松尾地区に工房を開設した。

 とんぼ玉の模様になるパーツ作りは、最も集中力を要する作業。バーナーで熱しながら色ガラスを溶かして、慎重に組み合わせていく。それらを小さくカットしたものを、2~3㌢のガラス玉の中にバランスを見ながら配置していく。

 冬場は作品づくりに集中し、春から秋にかけて展示販売のため全国を回っていたが、20年から21年にかけては新型コロナウイルスの影響で予定が組めなくなった。「今年は沖縄で展示会を開き、47都道府県での開催を達成する予定だった」


 畠山さん制作の「花とんぼ」。水中花のようにガラスの中で花が開くよう工夫している

 全国を飛び回っていた時間を工房の改修にあて、閉館した旅館から譲ってもらった家具や建具などを活用。約700坪の敷地内に、窓を大きくとった開放的なギャラリーを作った。

 天井など数カ所に設置された故ゴトウさんの絵画は、19年にゴトウさんが亡くなった後に畠山さんが引き受けたもの。ゴトウさんがグラフィックデザイナーの活動を経て、画家として絵画制作に打ち込んだ90年代以降の作品だ。

 波のような色彩のグラデーションが、「花とんぼ」と名付けた畠山さんの色とりどりのとんぼ玉と呼応するようで、「ゴトウさんのファンや地元の方に見ていただければうれしい」と話す。

 とんぼ玉作りをなりわいとするために販路を全国に求めたが、「八幡平の自然、季節のコントラストは、色彩を重視するとんぼ玉づくりに生かされている」。自身の創作にはまだまだ満足していないと言い、「とんぼ玉の可能性をこれからも追究していく」と意欲をのぞかせる。

 ギャラリーぼんとは、八幡平市松尾寄木1地割500―6。毎週土・日曜の午前11時から午後5時に見学可能。電話0195―78―3864。



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