2021年
11月27日(土)

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太鼓の響き、永遠に 佐比内小の児童と競演 鼓童の藤本さん 「閉校しても続けて」

2021-11-22

太鼓を通じ佐比内小の全校児童と交流する、「鼓童」の藤本さん

 新潟県佐渡島を拠点に活動する世界的な太鼓芸能集団「鼓童」の藤本吉利さん(70)が21日、2021年度末をもって閉校する紫波町立佐比内小(三好卓校長、児童24人)を訪れ、全校児童と交流した。閉校記念事業の一環。児童は、藤本さんの大地を揺らすような迫力のある演奏に驚きながらも、負けじと地域で継承してきた創作太鼓「佐比内金山太鼓」を披露。演奏で交流を深めるとともに、地域の誇りを確かめた。

 佐比内地区では1986年、佐比内小創立110周年を記念し、地域の創作太鼓として佐比内金山太鼓を制作。保存会を中心に、小学校でも授業の中で扱うほか、地域の祭りなどで披露するなど、継承活動に取り組んできた。

 佐比内小を含む町東部の小学校5校が統合され「紫波東小」に生まれ変わる。紫波東小ではカリキュラムの中で地域の伝統芸能を扱わない方針が決まっている。今後は、各地域で伝統芸能を継承することとなり、改めて児童や地域住民に太鼓を楽しんでもらおうと、今回の交流が行われた。

 藤本さんは、児童に「太鼓は願い。一生懸命願いを込めて打つもの」「両足で大地に踏ん張り、ばち先に宇宙のパワーをもらって打ち込む。音を宇宙に響かせる」と、演奏時の心構えを伝授。児童の演奏に飛び入りで合流する場面もあった。

 畑山侑希さん(6年)は「藤本さんの演奏は、リズムも、たたく力も自分たちとは違っていて、迫力があった」と目を輝かせた。「小学校に入ってからずっとやっているので、太鼓は好き。学校でやらなくなっても太鼓は続けたい。藤本さんみたいに、世界で太鼓の演奏ができたら」と夢を描いた。

 藤本さんは「児童は表情もよく、躍動的に演奏していた。ずっと指導してきた伝統の力を感じた。小学校は閉校になると聞いたが、佐比内金山太鼓が今後も続くことを願う」と語った。

 佐比内金山太鼓保存会の沼田充範会長(61)は「児童には本物を見て、記憶に刻んでもらいたい。学校での活動はなくなるが、今後は地域で形を探しながら、伝承を続けたい」と決意を新たにしていた。



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