2021年
11月27日(土)

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突如突きつけられた介護の現実 書きと留めた日常が本に 紫波町の天野咲耶さん 26日にエッセイ発刊

2021-11-24

 著書「32歳。突然介護がやってきた~時をかける認知症の父とがんの母と」が26日に発行される天野咲耶さん

 今年4月に紫波町の地域おこし協力隊員に着任した天野咲耶さん(36)のエッセイ「32歳。突然介護がやってきた~時をかける認知症の父とがんの母と」が26日、発行される。2016年に父がアルツハイマー型認知症と宣告され、翌17年には母の末期がんが発覚。突如として介護のキーパーソンとなった天野さんが書き留めた日常を、味わいのあるイラストともに書籍化した。天野さんは「介護の本は、50~60歳代向けのものが多いが、それより若い年代に読んでほしい。自分に近いエピソードを読むだけで、ほっとできると思う」と願う。

 天野さんは、米国カリフォルニア州生まれで、東京育ち。青山学院大卒業後、会社員を経て、「絵はんこ」作家やエッセイストとして活動。会社員時代の知人の紹介で、2021年3月に紫波町に移住した。地域おこし協力隊としては、主に地域の情報発信などを担当している。

 「32歳。突然介護がやってきた」は、突如介護に直面した天野さんが、自身の感情を整理するために書き溜めた、2017~19年のメモがベースとなっている。

 「介護をする上で直面するだいたいの課題は経験した」という天野さんのメモには、日々変わる両親の様子や、「父を嫌いになりたくない」「母が不在になることを考えられない」「父の面倒も見たいし、自分の人生もあきらめたくない」という、当時の状況と感情が記されていた。

 絵はんこの個展を開催する際に文書化を決意。メモを基に文章として体裁を整え、挿絵も加えたコミックエッセイとして、19年にインターネット上で公開した。

 介護の日常だけでなく、「父が『電動シェーバーは便利だなぁ。ひげをそりながら別のこともできる』と言いながら、別に何もしていない姿を見かけた」などの父への「突っ込みどころ」や、病気を抱えながら他者を心配し、アクティブに生きた母の姿を描くことにも心を注いだ。

 天野さんは「書籍という形になり、同じ悩みを持った人に届きやすくなったと思う。出版は、書き始めたときには想定していなかったので、感慨深い」と表紙を見つめた。

 「あまのさくや」名義。佼成出版社。四六判228ページ。税別1300円。



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