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岩手医大が矢巾に移転 24日から外来 内丸発で車両続々 トラブルなく患者搬送

2019-09-22

矢巾町の新しい病院敷地内を走行する救急車

 岩手医大(小川彰理事長)の附属病院が21日、盛岡市内丸から矢巾町医大通の新病院に移転した。同日は0歳から88歳までの入院患者114人が一斉に新病院に移された。国内で例のない、自治体をまたいだ1千床規模の病院の移転が終了し、本県の新たな高度医療拠点が始動する。

 患者の移送は21日午前8時からスタート。同大によると、午後3時50分に終了した。同4時までに、トラブルの発生は報告されていない。

 大学スタッフのほか、警察や消防、自衛隊、関係医療機関などを含めた約1200人が従事。緊急車両36台と自衛隊車両6台、介護車両9台、マイクロバス2台が国道4号と国道46号を走行し、内丸の病院から矢巾の新病院へ次々と患者を搬送した。事前の周知により、両ルートに目立った渋滞などはなかったという。

 矢巾の新病院では、午前8時半ころから次々と車両が到着し始めた。正面玄関や救急車の受け入れ口で待ち構えたスタッフが、車両から降ろされた患者を引き継ぎ、院内に迎え入れた。人工呼吸器などの機器を装着した重症患者や、保育器での搬送が必要な未熟児については、救急隊が病室まで迎えに行き、医師、看護師、臨床工学技士とともに高規格救急車で移動。この他にも患者の症状に合わせた輸送手段をとった結果、今回の輸送に伴う症状の悪化などもなかったという。

 2度実施したリハーサルをもとに、各スタッフの役割分担の徹底。矢巾の新附属病院に設置した輸送本部を中心とした円滑な連絡体制の構築なども行い、万全を期した。当初は輸送患者数を500人程度と想定していたが、症状の軽い患者を一時帰宅させるなどした結果、輸送人数が当初の予定を大きく下回った。事前に綿密な計画を立てたことで作業もスムーズに進み、当初の予定よりも約3時間早く入院患者の移送が終了した。

 新病院は地上11階建てで、延べ床面積は東北最大規模の約8万6千平方㍍。手術室20室と病床1千床を有する。新たに脳卒中ケアユニット、精神科急性期治療病棟、回復期リハビリテーション病棟などを設け、本県の高度救命救急、高度専門医療、災害対応を担う。

 敷地内には、ドクターヘリの基地や、災害などで外部からのエネルギー供給が絶たれた時も最低1週間病院機能を維持できる「エネルギーセンター」を整備した。商業施設が入る「トクタヴェール」、調剤薬局などが入る「健康プラザ コスモス棟」、さらにホテルも建つ。

 また、盛岡となん支援学校と県立療育センターが隣接地に移転済み。県対がん協会(小川彰理事長)も、医大附属病院敷地内に健診施設を新設し、本部機能を移転することとしている。新病院を受け入れる矢巾町でも、周辺の住所をこれまでの「藤沢」から「医大通り」に変更。病院に接続する町道を整備し、JR矢幅駅と病院を結ぶコミュニティバスの運航を開始するなど、体制を整えた。

 同大が2002年から進めてきた移転整備計画の締めくくりにして最大の事業となった今回の入院患者移送。終了後の午後4時ころから小川理事長と小笠原邦昭院長が取材に応じた。小川理事長は「多くの県民、盛岡市民、矢巾町民、警察や消防、自衛隊、医療機関など多くの協力で実現した事業。これからはいただいた支援への恩返しをしたい」と地域住民への感謝と今後の決意を述べた。

 小笠原院長も「患者は非常に落ち着いており、安心した。今後は県民が安心して高度医療を受けられる病院としたい」と抱負を語った。

 矢巾町の新附属病院は、24日の午前8時半から一般外来と急患の受け入れを開始する。これまで附属病院として使用してきた盛岡市内丸の施設は高規格の外来病院「内丸メディカルセンター」と名称を変え、同じく24日午前8時半から診療を開始する。



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