2019年
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〈体感思観〉 編集局 泉山圭 高齢者の自動車運転

2019-09-14

 東京都池袋で母子が被害に遭った交通死亡事故をはじめ、高齢者が運転する自動車による事故を報じるニュースを見ない日はない。事故が起きると高齢者の免許返納の話が話題となるが、公共交通機関に恵まれた首都圏と地方では事情が異なる部分もある。岩手では通院や買い物のために自動車の運転が必須な高齢者も多い。自分自身の運転を過信しているわけではなく、年齢による衰えを認識した上で、運転を継続するため努力する高齢者もいる。

 先日、高齢者ドライバーが自分の運転を振り返り安全運転につなげる機会として、日本自動車工業会、全日本交通安全協会、JAF岩手支部が盛岡市内で開いた岩手シニアドライバーズスクールを取材した。60代から80代までの19人が参加。関係者によると、例年は定員に満たないこともあるが、今年は池袋の事故が起きたこともあり、申し込み開始から3日間で定員20人に達したという。

 スクールの実技講習では、運転席に座った状態で自身の死角の範囲を把握したり、スラローム走行や急ブレーキの体験、見通しの悪い場所で段階的に停止しながら安全を確認する方法など、実際の運転を想定して自分の弱い部分などを確認した。参加者の男性は「高齢者の事故の話を聞き、最近は普段よりも神経質になっている部分がある」と受け止めた上で「買い物や家族の通院などに車を使い、生活には欠かせない」と話した。

 記者の父親も高齢になってから免許を取得した。数年間、自動車を運転したが、助手席に座っていると交差点の進入などでヒヤリとする場面があり、程なく免許を自主返納した。幸い、買い物などは自転車で行ける距離に店舗があり、私自身も免許を持っているため、遠出や大きな荷物の運搬が必要な場合はサポートできる環境にある。

 家族が支えられる部分は担い、それができない場合でもスクールなどで定期的に自身の運転を確認する機会が必要。加えて高齢者が住み慣れた地域に居続けられる足の確保などの施策充実を行政には望みたい。



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