2022年
8月12日(金)

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チャグチャグ キラキラ 58頭行進 動物愛護の精神具現 沿道から「頑張って」の声も

2022-06-12

鳥居をくぐって鬼越蒼前神社を出発する装束馬と参加者たち

 今年で44回目を数える岩手の風物詩・チャグチャグ馬コの行進が11日、3年ぶりに行われ、南部盛岡地域の初夏を鮮やかに彩った。行進は滝沢市鵜飼外久保の鬼越蒼前神社から盛岡市の盛岡八幡宮までの約14㌔の道のり。きらびやかな装束を身にまとった馬コが、1頭当たり700個とも言われる鈴を「チャグチャグ」と鳴らして歩いた。沿道には大勢の市民や観光客が駆け付け、通過する馬コに歓声を上げ、写真に収めるなど楽しんでいた。

 スタート地点の鬼越蒼前神社では、出発を前に参加者らが参拝し、行進の準備が進められた。

 チャグチャグ馬コ同好会滝沢支部の藤倉百松相談役(84)は「2年も休んだので、いまから始めたと同じようなこと。協力しなければと思って、参加している」と境内を見渡した。

 滝沢市の馬っこパークいわてからは5頭が参加。馬主の山手寛嗣さん(73)は「3年ぶりに開催されて、うれしい。馬に対する感謝という動物愛護の最たるものがベースとなっており、馬を奉納する行事は、世界でも珍しい。みんなにそれを誇りに思ってもらい、その精神を受け継いで、参加したいという人が出てくれたら」と願っていた。


かすりの着物を身にまとい、馬コの上から手を振る子ども=盛岡市材木町


 同神社を出発したのは午前9時半ごろ。行進したのは装束馬50頭、役員馬8頭の計58頭。一般公募によって集まった小学生や馬主の孫らが馬に乗り、引き手を含め総勢250~300人が列を成した。

 盛岡市青山の盛岡ふれあい覆馬場プラザ前でも、多くの人が沿道で行列を見守った。

 近所に住み、コロナ禍前は毎年見ていたという遠藤夢佳さん(14)=盛岡中央高附属中3年=は「想像以上に迫力があって、見ていて楽しかった。久しぶりに開催してくれて、めちゃめちゃうれしい」と笑顔。

 父の幸栄さん(48)は「大きな馬がチャグチャグ音をたてながら歩く迫力、子馬も親馬と一緒に歩いている姿がいい」と魅力を満喫していた。

 材木町を抜け、12時半ごろには盛岡駅前を通過した。開運橋を渡った後、盛岡市立桜城小で小休止。

 シチフクキングの馬主、北上市口内町の濱田俊明さん(70)は「久々の開催で、純粋にうれしい。チャグチャグ馬コの日は、雨が降らないというジンクスがある。本当にきょうはいい天気になった。14㌔歩くのは大変だが、無事最後までできたらいい」とほほ笑んだ。


盛岡駅の前を歩くチャグチャグ馬コ

 オリヒメの馬主、滝沢市篠木の齊藤晴司さん(71)も「見に来た人も多くて、すごくよかった。やっぱりやれば面白いし、馬主として、馬には1回こういう経験をさせたい。最後まで頑張ります!」と、3年ぶりのチャグチャグ馬コを満喫していた。

 ミカヅキクイーンに乗ってきた滝沢市大沢の齊藤涼斗ちゃん(6)は「馬の上は高いけど、怖くない。楽しい。暑いけど、まだ頑張れる」とジュースをごくごく飲んでいた。

 装束馬が通過すると、沿道からは「大きくて立派な馬だ」「きれいな衣装」との声が上がった。

 また、馬コに乗る子どもたちに向けて「頑張って」との応援の声が掛けられ、子どもたちは一生懸命に手を振って、笑顔で応えていた。


ご褒美のニンジンを与え、行進を終えた馬コをねぎらう=盛岡八幡宮

 午後1時半ごろ、一行の半分は中の橋でお役御免。

 引き手を務めた、南部盛岡チャグチャグ馬コ同好会盛岡支部の佐々木利彦さん(55)は「市内に限らず、他県からも人が来ていた。たくさんの人にお披露目できて、非常にうれしい。盛岡の風物詩としてこれからも盛り上げていきたい」と語った。

 中の橋付近で到着を見守った盛岡市開運橋通の岸根ハナさん(75)は「いい天気で、衣装もよく映えていた。毎年見ているが、今年はこれまで以上に馬も衣装もきれいに見えた」と満足気に話した。

 中の橋で分かれた残り半分の人馬は、岩手銀行中ノ橋支店、もりおか啄木・賢治青春館、八幡町を通って、盛岡八幡宮に無事到着した。

 この日は初夏らしい晴天に恵まれ、日差しが馬コの色鮮やかな装束を照らし、華やかな行進となった。



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