2019年
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国際的費用分担や協力へ提言 KEKがHP上で ILC実現の参考に 準備研究所設置も

2019-10-03

 高エネルギー加速器研究機構(KEK)は2日、国際リニアコライダー(ILC)プロジェクト実施に関する提言をホームページで公表した。国際分担の在り方などについて議論する国際ワーキンググループ(WG)の報告を受け、まとめた。概要によると、世界の研究機関間の覚書に基づく「ILC準備研究所」を設置。建設合意の政府間交渉を補佐する役割などを担う。政府間合意すればILC研究所へ移行するとされている。

 ILC準備研究所設置については、ILC実現の準備期間として世界の研究機関の相互理解と各国政府の了解の下、世界の研究機関間で覚書を締結。実現に必要な準備作業に取り組み、並行するILC建設合意のための政府間交渉を補佐。KEKがホスト研究所として同研究所の中核を担うとされた。

 ILC研究所に移行後は、政府間合意に基づく国際研究所としてILC加速器の建設、運転で長期的に責任を負うことになる。

 提言は英文で約40㌻。今後のILCに関するさまざまな議論の場で役立ててもらう趣旨でまとめられた。これを参考に国際的な経費分担、組織・運営に関する議論の深まりが期待される。

 KEKは5月、欧米、アジア7人の研究者による国際WGを設置。▽建設経費、運転経費の国際分担の考え方▽ILCを実現するための組織の在り方▽技術的準備に取り組むための国際協力(分担)―について検討された。9月までに計5回会合が開かれ、最終報告書が提出された。これを基に提言がまとめられた。

 文科省のILCに関する有識者会議と日本学術会議が技術的な懸念として挙げた「ビームダンプ(ビームのたまり場)」についても、現段階からの安全性の確保に向けた対応に関して掲載されている。

 この他に技術準備計画を示し、国際協力で進めるべき必要な技術課題と国際協力先の候補を挙げた。有識者会議、学術会議の所見による技術的課題の指摘を受けた内容となっている。

 ILC加速器の建設経費の負担については、土木建築はホスト国の日本の責任で、加速器の物品はILC研究所に参加するメンバー国で分担。電気・機械設備等のインフラはホスト国の貢献が期待されるという。さらに建設に当たり、運転経費を国際的に分担することを、政府間で合意しておくべきだと主張している。



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