2005年 4月 26日 (火)        

■  〈自転車びより〉1 斎藤純 TSマークで安心


 ひと冬ほうっておいた自転車を点検整備してもらった。「それくらい自分でやれないのか」という声が聞こえてきそうだが、これには理由がある。自転車安全整備士(自転車安全整備技能検定の合格者)の看板がある専門店でTSマーク(TRAFFIC SAFETY=交通安全)を貼(は)ってもらうためなのだ。TSマークには傷害保険と賠償責任保険がついている。これがミソだ。

  自転車事故が増えている。かつて自転車は輪禍事故など被害者の立場だったが、近年は歩行者に対する加害事故が増え、死亡事故も起きている。自転車は保険に入っていないのが普通なので、賠償で大変な苦労をすることになる。

  走行中にペダルが外れたり、ブレーキがちゃんときかなかったためけがをしたという事故例も多い。これはきちんと点検整備をしていたら防げただろう。

  自転車は身近な乗物だ。それが最大のメリットでもあるのだが、そのため逆に軽視されてきた面も多い。自転車は車両なのだ。私たちは改めてそのことを確認するべきだろう(ヨーロッパでは自転車も一方通行に従わなければならない国がほとんどだという)。自動車に車検と保険が義務づけられているように、自転車もある程度の点検整備の保険が必要だ。

  以前、私は東京海上火災の自転車保険(1年ごとの掛け捨て)に入っていたのだが、これがなくなってしまったので不安に思っていたところ、TSマークを知った。一年に一度、専門店で点検整備をしてもらえば、安全性を確保できるうえに付帯保険もつく。これで安心して自転車生活を送れるというものだ。

  料金は整備内容によって変動する。だいたい2千円くらいが下限のようだが、盛岡市本町通りのサイクル・オダシマのように「下小路中学校の生徒については1500円から」という特別価格を設けている専門店もある。ぜひ学校単位、あるいは職場単位でTSマーク加入をひろめてほしい。また、その普及に向けて自転車専門店の積極的な協力も望みたい。ちなみに「自転車安全利用条例」を定めている東京都板橋区では、条例でTSマークの加入を奨励している。

  タイヤとブレーキケーブルを交換して心なしか軽くなった自転車のペダルを踏み、中津川を上流に向かった。中津川には自転車と歩行者専用の毘沙門橋、富士見橋、中津川橋が架かっていて便利だ。橋の上から川面を眺めていると心が和む。

  ただ、自転車道の整備はお世辞にも行き届いているとはいえない。また、自転車で中心商店街に行っても駐輪スペースがなく、不自由な思いをする。自転車に乗っている人々にも問題がある。私は左側通行の基本を守っているのだが、正面衝突の危険にさらされることが少なくない。放置自転車によって「まちの迷惑もの」となっているところもある。

  これからのまちづくりには自転車が重要な役割を果たす。それを踏まえて、自転車のあれこれを考えていきたい。

 

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