2005年 9月 27日 (火) 

       

■ 〈自転車びより〉6 斎藤純 盛岡駅西口って行きにくい

     
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  自転車乗りが3人も集まれば、駅西口へのアクセスの悪さが必ず話題になる。そこで実地見聞も兼ねて、マリオス内の市民文化ホール展示ホールで開催中の「安野光雅展」に出かけてきた。

  材木町側から旭橋を渡って直進し、盛岡駅前北通を越える陸橋を通ろうとすると自転車通行禁止の標識が出ている。この陸橋を自転車で渡るには複雑な手順(道順)が必要だ。駅前北通まで突き当たり、四車線道路の中央(陸橋の下)に渡って階段を上がらなければならない(新田町の地下通路から西口にまわる方法もないではない)。

  「安野光雅展」は楽しかった。紙と水と筆の文化が私たち日本人にしっかり滲(し)みついているおかげで、たとえそれが外国の風景を描いたものであっても親しみを感じる。町の風景のなかに自転車が描かれた絵もあるに違いないと予想していたとおり、まさにこれが的中して、うれしかった(自転車が描かれているだけで喜ぶのですから、単純です)。

  驚いたのは、写真や絵本などで見て想像していたよりも絵のサイズが小さかったことだ。ニューヨークのメトロポリタン美術館で初めてフェルメールの作品を観(み)たときも同様の驚きを覚えたものだ。優れた作品は写真にすると実際よりも大きな印象を与えるらしい。

  帰路は盛南大橋側の道を通ってみることにした。新しい道だから、自転車のことも考えてつくられているだろうと思ったのだ。

  ところが、この道もまったく自転車には配慮されていなかった。歩道を通ると開運橋の交差点に直進することができず、駅まで行かざるをえない構造になっている。私は自転車の歩道通行可能というところでも(そんな野蛮な真似はしたくないので)なるべく車道を走るようにしているから余分な遠回りをしなくてもすんだが。

  マリオスの隣には県の複合施設アイーナがオープンを間近にひかえている。つまり、これから利用する機会が出てくるであろうアイーナに行くにも、自転車の人は苦労を強いられるということだ。

  駅西口周辺と盛南地区は今後ますます発展していく新都市だ。新都市へのアクセスにはぜひ新しい発想で取り組んでもらいたい。今からでも遅くないのだから。

  盛岡市ではマイカー抑制を基本とする総合交通計画の策定に向かって検討に入ったという。マイカーを抑制するには公共交通を充実させることと自転車利用促進をセットに考えることが不可欠だ。

  その際、私たち市民の意識改革も重要になってくる。昨日までの習慣を改めるのはなかなかできることではない。けれども、それをひとつの「楽しみ」や「生き甲斐(がい)」とすることで、考え方も行動も変わる場合がある。現に私の知人は素敵(すてき)なスポーツ自転車を手に入れたとたんにクルマ派から熱烈な自転車派に転じた。

(盛岡市在住、作家)

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