2006年 2月 23日 (木) 

       

■ 〈自転車びより〉11 斎藤純 盛岡の変革は可能

 本紙でも既報のとおり、盛岡市は1月27日、「地域ブランドフォーラムin盛岡」を開催し、市民協働による盛岡ブランドの構築を宣言した。キャッチコピーの「もりおか暮らし物語」は、特産品をはじめ、盛岡らしい暮らしや歴史文化など地域全体をブランドとして全国に発信していこうというコンセプトを的確に表現しているように思う。

  このフォーラムで、作家の高橋克彦氏と東北文化研究センター所長の赤坂憲雄氏の対談があった。近年、高橋氏が制作に熱中している「盛岡百景」(デジタル写真を元に浮世絵版画風に再構築した作品。盛岡市内の書店で発売中の『盛岡学』のグラビアで見ることができます)に自転車がたびたび登場していることを赤坂氏が指摘し、「盛岡には自転車がよく似合う。自転車の似合うまち盛岡というのもブランド化が可能なのではないか」とおっしゃられた。

  このお話をうかがいながら「私たちは盛岡と自転車の結びつきを、もう一度、改めて見つめなおすべきかもしれない」と思った。

  確かに盛岡の中心市街地はコンパクトなので、自転車があれば事足りる。しかも、城下町ゆえに細い路地も多いので、自転車のほうが車よりも効率的かつ合理的に移動できる。ここまでは私たちも認識している。問題はこの先だ。私たちは自転車を日常的に用いているため、自転車を「盛岡ブランド」と結びつけることに気がつかなかった。事実、制作した高橋氏自身も、作品に自転車が入っていることを意識されていなかった。

  かつて盛岡は「日本の中国」といわれるくらい自転車が多かった。急速なモータリーゼーションの普及によって、以前ほどではなくなったが、それでも県庁所在地としては自転車が多いほうだろう。しかし、ただ自転車が多いというだけではお話にならない。自転車が走りやすい道やまちでなければ。

  まちづくりの先進的な取り組みとして、スローシティという考え方がある。これは自動車の通行を制限して、自転車と歩行者と公共交通を中心にする。アメリカの調査では、スローシティ化によって住民のコミュニケーションが向上したという例がある。住宅街でも車庫を自宅前ではなく、離れたところに設置すると地域のコミュニケーションがよくなり、介護、通学、買い物などを助け合う習慣が生まれる。このように、まちづくりの上で「交通」は大きな役割を果たしているのである。

  自転車という小さな存在を見直すことで、盛岡を大胆に変革できると私は思っている。今春、正式な発足を目指している盛岡自転車会議もその一翼を担うことになるだろう。

  盛岡自転車会議は「左側通行を守る」と「夜間灯火を守る」ことを宣言していただき、住所とお名前を登録するだけで、入会金も会費も必要ありません。ぜひご参加ください。

  盛岡自転車会議の問い合わせは、盛岡市青山3の29の4、加藤(エース企画)電話019-646-6524、メールアドレスはkatoise@nnet.ne.jp


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