2006年 4月 27日 (木) 

       

■  〈自転車びより〉13 斎藤純 ダイエットしよう

 このコラムでは、自転車と交通問題や自転車と地域の活性化など「自転車と社会」という側面に多くを割いてきた。もちろん、ときには自転車に関するぼくの個人的な思いも書いたが、ひとつ大きなことがずっと抜けていた。それは、おそらく多くの方が興味を持っていると想像できる領域のことだ。つまり、自転車と健康について、もっと言うならば「自転車によるダイエット」である。今回はそれについて書こう。

  もっとも、ぼくはどちらかと言うと痩(や)せすぎという問題を抱えているので、ダイエットを意識したことはない(体脂肪率は高いような気がしているが)。そういう男がダイエット効果を謳(うた)っても信憑(ぴょう)性を問われかねないが、いい本が出たので紹介したい。高千穂遥著『自転車で痩せた人』(NHK出版生活人新書)である。

  高千穂さんは『クラッシャージョー・シリーズ』や『ダーティペア・シリーズ』で著名な作家だ。ぼくにとってはオートバイの先輩でもある。50歳になってから本格的に自転車に乗りはじめた高千穂さんは〈自転車はすごい。/自転車はいい。/自転車は楽しい。〉と絶賛する。

  なにしろ、84キロあった体重が3年で58キロまで減り、24%あった体脂肪率が驚くべきことに8%台まで落ちた(身長は172センチ)。高かった血圧も正常になり、コレステロール値も下がったというから、確かに自転車はすごい。

  高千穂さんの自転車ダイエットは、走行時間とローテーションを決めるなど(怠惰なぼくから見ると)かなり本格的なトレーニングだ。これは一般向きではない、と高千穂さんご自身が断っている。そのうえで、毎日決まった距離を自転車で走る方法を紹介している。察しのいい方はおわかりだと思うが、通勤に自転車を使えばいいのだ。

  自転車通勤の現実的な距離は片道10キロから15キロ、慣れたら20キロ程度だ。30キロとなると、仕事に支障をきたしかねないので、途中まで自転車で行き、そこからは公共交通機関を利用する。

  また、それだけの距離を走行するのはママチャリでは無理だ。クロスバイクやスポルティーフなどのようなスポーツ自転車を高千穂さんは薦めている。自転車の選び方もこだわりがあり、なおかつ合理的なので共感するところが多い。要するに本書は「50歳からのスポーツ自転車の薦め」なのである。

  あらゆるところに高千穂さんのダンディズムが感じられる本だ。自転車乗りが守るべき法律やマナーもきちんと押さえている。これから自転車ライフをはじめようとしている方はもちろん、ぼくのようにその楽しさを満喫している自転車乗りにも本書は楽しめる。(作家、盛岡市在住)

 

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