2007年 8月 19日 (日) 

       

■ 〈盛岡市長選〉4年前戦った斎藤純氏に聞く 谷藤市政をどう評価

     
  「市民参画が進むシステムづくりを」と市政に求める斎藤純氏  
  「市民参画が進むシステムづくりを」と市政に求める斎藤純氏
 
  4年前の盛岡市長選は現職に新人3人が挑む戦後最多の4人が立候補する激戦だった。市民派市長を標ぼうした作家の斎藤純氏(50)も候補の一人だった。その後、現職の谷藤裕明氏(57)の要請で市行財政構造改革推進会議の委員を引き受けた。財政や市役所の改革手腕を評価しながら「市民参画の仕掛けづくり」を求める。現市政をどう見ているのか。

 −この4年間の谷藤市政の評価は。

  斎藤 目指しているところが自分と同じだし、旧体制を一緒になって倒した同志との思いもある。できる限り応援したいと思ってきた。大変だった財政も安心とまではいかないが、赤字を圧縮して危険ラインはぎりぎりながら避けることができた。その実現過程でシステムを変えた。

  構造改革のシステムが日本の自治体の中でもトップレベルのシステムを作った。たとえば指定管理者制度の導入で、選考に民間の審査員を起用している。県庁は県職員のみで選考した。改革派といわれた増田前知事さえそのレベルだったのに。

  当時の選挙では公共工事は経済活動を停滞させるから削減しないとも話していた。実際はそれどころじゃない状況で、ほとんど半分ぐらい削減した。それが財政圧縮で1番大きかったのではないか。

  −課題はあるか。

  斎藤 これらの成果が市民に十分知らされていない。そのために盛岡に1番必要な市民参画が意外に進んでいない。推進会議でもいつも問題になる。市が意見募集しても数件で、説明会に市長が出向いても参加者が少ない。

  もう少し公共とは何かを考え、自分たちでできることは自分たちでやらないと。本当に住みやすいまちづくりのためには市民意識を高めるべき。盛岡は市民の意識が高いはずなのでシステムに問題があるんじゃないか。もう少し「仕掛け」をつくる必要がある。

  −「仕掛け」とは。

  斎藤 地域の街路樹の枝を切る場合、市道では市民、民間が勝手に切ってはいけないことになっている。でも市もほかにやることがあって先送り。金もない。だから市が少し予算を出すから町内会にお願いする。市は適正に予算が使われたか、枝が切られたか監督すればいい。

  それが住民自治の基本だと思う。それを受け入れる窓口、体制を市が整備する。小さな成功事例を積み上げれば住民も参加しやすく、意識も高まる。短歌甲子園も実施は市民団体のグループが主体でやっている。最終的に市民参画条例のように制度化する方向になればいい。

  −なぜ市民参画は必要だと思うか。

  斎藤 谷藤さんは50万都市を目指しているが、今のままでは国の二の舞を演じることになる。国はどんどん肥大化して細かいケアができなくなった。何十年もかかったが、今のペースだと地方は5年、10年であっという間に同じになる。今から細かい部分は住民ができる仕組みをつくらないと。今はまだ市民のパワーを引き出せていない感じがする。

  −市役所、職員意識の改革をどう見るか。

  斎藤 ぼちぼち谷藤さんらしさは出てきている。旧体制の抵抗は外から思っている以上にある。県職員を起用して大事なポストに配置した。挑戦しながら進めた。大変そうだと思う反面、計画の実行から達成までがやはり遅いとも感じる。

  また、市職員の中に改革を望む者がいると感じる。その人たちが市役所をリードし、その人たちばかりが忙しい面もあるが、市役所のこんなところが駄目だと外に出すようになった。劇的な変化で、本当の意味で風の通しのよさが出てきた。

  −求める市長像は。

  斎藤 行革も予算の圧縮も、どのみちやらなければいけないことだった。だからダイナミズムがないとの声も出る。盛岡ならではの突出したものが何かあるわけでもないし、弱い。こんなときだからこそ、どんなに財政が厳しくても必ず予算を付ける事業があるとか、われわれ市民に希望を持たせるものがあってもいい。それを示すのが市長だと考える。

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