2008年 8月 20日 (水) 

       

■  5大学連携で底上げへ いわて高等教育コンソーシアムを設立

     
  イーハトーブキャンパスについての説明する5大学の学長ら。左から盛岡大の高橋幸雄文学部長、岩手医大の小川彰学長、岩手大の藤井克己学長、県立大の伊藤憲三副学長、富士大の藤原隆男学長補佐  
 
イーハトーブキャンパスについての説明する5大学の学長ら。左から盛岡大の高橋幸雄文学部長、岩手医大の小川彰学長、岩手大の藤井克己学長、県立大の伊藤憲三副学長、富士大の藤原隆男学長補佐
 
  岩手大、県立大、岩手医大、富士大、盛岡大の県内5大学で「いわて高等教育コンソーシアム=イーハトーブキャンパス」を設立し、地域の中核を担う人材の育成などを目指す連携プロジェクトが19日、文科省の戦略的大学連携支援事業に採択された。今年度から2010年度までの3年間、年間1億円を上限とする国の補助金が付与される。5大学はIT技術を活用した共同講義の開催や地元の大学進学率向上などに連携して取り組む。少子化で大学間の競争が厳しさを増す中、それぞれの持ち味を生かした共同研究や教育の充実が期待される。

 岩手大の藤井克己学長、県立大の伊藤憲三理事・副学長、岩手医大の小川彰学長、富士大の藤原隆男学長補佐、盛岡大の高橋幸雄文学部長が同日、盛岡市上田の岩手大事務局で記者会見し、イーハトーブキャンパスの設立を発表した。

  連携の柱は@教育研究環境の基盤整備A教育力の向上B知の拠点形成C大学進学率の向上D地域の活性化−。具体的には県立大のアイーナキャンパスを利用した5大学の「共通キャンパス」の整備やウェブを活用した授業学習支援システムの導入、遠隔講義(テレビ会議)システムの構築などに着手する。

  教員研修の共同実施、地域をリードする人材を育てる「岩手学講座」の開設、地域文化や地域医療・福祉の研究などを推進。生涯学習の場の提供やスポーツユニオンの運営にも力を入れる。

  低迷する本県の大学進学率向上を図るため、いわて情報ハイウェイを活用した高校への大学の講義の配信や5大学共同での拡大版ウインターセッションなどにも取り組み、産学官連携で立ち上げた「いわて未来づくり機構」に積極的に協力していく。

  5大学は2000年に5大学学長会議を発足させ、これまで、単位の互換制度や図書館の共同利用などを進めてきた。しかし、IT環境など連携に必要な教育研究基盤が不十分で、実質的な連携がはかどっていない面もあった。

  コンソーシアムの設立によって各大学の教育研究資源の共同活用を推進、地元大の魅力アップにつなげる狙いがある。国の助成期間は3年間だが、事業は引き続き充実させ、2014年には5大学の連携大学「イーハトーブ大学」に発展させる計画だ。

  事務局を務める岩手大の藤井学長は「県内5大学の13学部はそれぞれ異なる学部だが、オーバーラップする分野もある。教育にとっても研究にとっても新たなつながりができる素地ができたのでは。学生、教員のスケールメリットを生かしたい」。

  岩手医大の小川学長は「一大学で教養教育を充実させるのは難しい。連携できるところはたくさんある。医学分野でも県立大の看護学部や社会福祉学部、岩手大の獣医学科などとつながりを持てる。医学と工学の連携にも可能性が出てくる」と期待した。

  文科省の「戦略的大学連携支援事業」は、国公私立大学間の積極的な連携を推進し、教育研究資源を有効活用することにより地域の教育研究水準の高度化、個性・特色の明確化、大学運営基盤の強化などを図ることが目的。1年間で総額30億円の助成を予定し、全国で54件が採択された。

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