2009年 1月 28日 (水)

       

■ 〈自転車びより〉38 斎藤純 サミット開催

     
   
     
  昨年は自転車を取り巻く環境が大きな転機を迎えた年だった。

  ひとつは道路交通法が改正されたことが大きい。これによって自転車の車道通行の原則が確認された。もっとも、自転車の歩道走行は暫定処置であって、例外的なものにすぎない。その点がまだ十分に理解されていないので、今後の課題となろう。

  国土交通省も自転車利用の促進を進める方針を明確にし、警察は文部科学省と連携して自転車に関する法規およびマナーの指導強化に力を入れることを明言した。

  盛岡市では画期的な「盛岡市自転車の安全利用及び利用促進並びに自転車等の放置防止に関する条例」(通称盛岡自転車条例)が定められた。具体的な成果として、盛岡市内大通りに駐輪場や、自転車走行帯ブルーゾーンが設置された。これらの取り組みは先駆的な事例として評価を受け、高崎市で開催された「自転車サミット」には盛岡市が招待されている。

  盛岡市の自転車施策には〈減クルマでまちづくり〉実行委員会が社会実験で取り組んできたことが活かされている。これは行政、市民、市民団体の協働の好例のひとつといっていいだろう。〈減クルマでまちづくり〉実行委員では、自転車の安全利用を進めることを目的に、去る1月13日(岩手県公会堂)と1月15日(西部公民館)の2日間にわたって、自転車ワークショップを開催した。両日とも20名の市民が参加した。

  私は岩手県公会堂のワークショップに参加した。

  〈減クルマでまちづくり〉実行委員会では、昨年、市内の高校生を対象にアンケート調査をおこなって、自転車の事故が多いところ、自転車走行の危険なところなどを洗い直している。今回のワークショップは、本町地区と青山地区の危険箇所を洗いだすのを目的にしていたが、それを超えて、さまざまな意見が出された。交通問題というよりも、盛岡のまちづくりに対する市民の意識の高さを再認識させられた。

  本町は城下の面影を残し、道幅が狭い。これが交通のネックになっているわけだが、「狭い道を有効に使う方策を考えていこう」という意見が目立った。今までの道路拡幅という流れに「待った」をかける考え方が増えているのを感じた。

  道路拡幅は「自動車優先」のまちづくりになりがちである。そのことに気がつき、軌道修正をしようという動きが顕著になりつつある。

  その場合、道路の再配分という手法が導入される。今まではクルマをスムーズに通すことに主眼が置かれていたが、歩行者や自転車を優先させるようにシフトしていく。すると、クルマはちょっと不便になるかもしれない。

  「城下盛岡ではクルマには少々の不便を我慢してもらう。それがいやなら、遠回りをしてほかの道を通るなり、バスを使うなり、歩くなりすればいい」

  この意見には私も大きく頷いた。「城下盛岡では」というのが利いている。

  ほかにもすぐに実現できそうなアイデアが出されていた。今後の交通行政に活かされていくに違いない。

(作家、盛岡市在住)

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