2009年 3月 16日 (月)

       

■ 世界が認めた「日本の獣医病理学研究」の実力 米国学会誌の編集に参画

     
  日本獣医病理学専門家協会も編集に参画した「Veterinary Pathology」巻を手にする岩手大農学部の岡田幸助教授  
 
日本獣医病理学専門家協会も編集に参画した「Veterinary Pathology」巻を手にする岩手大農学部の岡田幸助教授
 
  米国の獣医病理学会誌「Veterinary Pathology」(ベテリナリー・パソロジー)の編集に、日本獣医病理学専門家協会=JCVP(理事長・岡田幸助岩手大農学部教授、会員250人)が、今年1月号から参画している。同誌は45年以上の歴史があり、獣医病理学の学会誌としては、世界で最も権威があるものとして知られる。岡田教授は「編集への参加は、日本人研究者の実力が世界に認められたことを意味する。国際的な共同研究もさらに進むのではないか」と期待している。

  同誌は1965年に第1巻を創刊。ACVP(米国獣医病理学専門家協会、会員1550人)が中心になり最先端の研究成果を発表してきた。グローバル化に対応するため、今年1月の46巻からECVP(ヨーロッパ獣医病理学専門家協会、会員250人)、JCVPとの共同編集を行うことにした。

  現在は年6回の隔月発行で毎号約20編の論文を掲載。掲載論文はACVP、ECVP、JCVPから選ばれた編集委員と編集委員から指名された査読者(論文の審査官)の判断によって決定する。論文発表者は査読者からの指摘に答え、場合によっては追加実験や論文の修正をしなければならない。1年がかりで掲載が決定する場合もあるという。

  岡田教授も、鶏のビタミンD欠乏症の上皮小体の電子顕微鏡的研究(1983年)、皮ふ型牛白血病の自然退縮の研究(1989年)など、これまでに、いくつかの論文が掲載された。何年も実験を重ね、苦労してまとめた論文の掲載が決まった時は「跳び上がるほどうれしかった」という。「若い時にあこがれていた学会誌の編集に、我々の協会が携われるようなったことは夢のよう。日本の研究者一人ひとりが目標を目指し努力した成果」と感慨深げだ。

  家畜の病気として一般にもよく知られるようになったBSE(牛海綿状脳症)に関する研究論文は、これまでに274本、鳥インフルエンザに関するものは211本掲載されている。岡田教授は「輸入家畜から感染が広がったり、渡り鳥が病原菌を運んだりと動物の病気にも国境はなくなっている。世界中の研究者の連携がさらに求められる」と話す。

  JCVPは獣医病理学会の中にある専門家組織で91年に発足。会員になるためには資格認定試験をパスしなければならず、会員資格取得後も5年ごとの資格更新審査が求められる。

  JCVPから選出された編集委員は林俊春(山口大)、三森国敏(農工大)、山手丈至(大阪府大)、内田和幸(東大)、古林与志安(帯広畜産大)の各氏。

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