2009年 3月 19日 (木)

       

■ 〈北Gのライブトーク〉79 北島貞紀 念ずれば花開く

 開運橋ジョニーの定例ライブに、歯科医師であり、サックス奏者でもある黒江俊氏がゲストで参加してくれた。「歯科医師歴35年、サックス歴45年」ということで、ジャズとサックスにかける情熱たるや生半なものではない。この日は、アルトとテナーの2本の楽器を抱えて現れた。

  ピアノトリオに管が1本入ると、サウンドがガラッと変わる。とてもホットで楽しい一夜となった。演奏もさることながら、休憩中に交わす会話もまた刺激的なのだ。

  「松本英彦さんにあこがれて、サックスを始めたんだ」

  松本英彦は、日本を代表する名テナー奏者であった(米国のジャズプレイヤーにも、その名前が知れ渡っていた)。あだ名は、スリーピー松本。大酒飲みでもあった。2000年、没。

  「松本さんに酒を教えたのは、僕なんだ」常連客のY氏が割り込んでくる。Y氏は、東京の人なんだが、1カ月の内、半分近くは盛岡にいる。もう70歳を超えておられるが、毎日ボトル1本は軽くあける怪人である。(僕には、謎の人物だ)

  「松本さんにはじめて会って、ずっとあなたのファンですと言ったら、『あっ、そう』って、随分そっけなかった」と黒江氏。そして、Y氏による松本英彦の実像トークと続く。

  「実は、その松本さんのテナーを持っているんです」黒江氏が誇らしげに言う。

  松本さんの楽器を受け継いだ人が、誰かに譲りたいという情報をいち早くキャッチし、手を挙げたとのこと。「とても吹きやすい、名器です」

  これって、ひとつの奇跡だよね。むかし誰かの講演で聞いた言葉を思い出した。

  「念ずれば花開く」

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