2009年 3月 19日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉250 岩橋淳 「ゆきダルムくん」

     
   
     
  この冬の雪は、降ってはやみ、積もっては融けの繰り返し。生活では助かった部分もありますが、季節感としてはいまひとつ。今週の主人公も、「異常気象」の落とし子か?

  その名も、ゆきだるま・ダルムくん。作中語られるに、ゆきだるまは、元々は北の雪山に棲(す)んでいて、それが冬の風に飛ばされて雪となり、降り積もった場所でこどもたちに「再生」してもらって地上に現れるもの、とのこと。それがダルムくん、木々が若葉をつけはじめた春の公園の片隅、融けもせず、むきだしの土の上にぽつねんと佇んでいたのです。

…ひととおり春の街を満喫したダルムくん、翌日(!)ひとりの少女と出会います。ふたりは友達になり、街を歩き、その翌日(!)は山の湖畔でピクニック。そして、また翌日の約束をして…。

  恋と呼ぶには、あまりに淡いかもしれません。そして、出会いがあれば、いずれやってくるものは、決まっています。

  季節のちょっとしたイタズラで生まれた、ちいさな出会い。たとえ春の訪れをを喜ぶ声にかき消されてしまっても、確かにあったと、信じてあげたいものです。

  【別冊太陽『ゆきダルムくん』】伊東正道/作、教育画劇/刊、1103円(税込み)(2008年)。

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