2009年 3月 25日 (水)

       

■ 国際的視野持つ人材を 退任する谷口県立大学長が新渡戸塾創設へ

     
  退任の記者会見で新渡戸国際塾の構想を明らかにする谷口県立大学長  
 
退任の記者会見で新渡戸国際塾の構想を明らかにする谷口県立大学長
 
  県立大の谷口誠学長(78)は1期4年の任期を満了し3月いっぱいで退任する。24日、退任の記者会見を行い、県民へ感謝の気持ちを語った。国際的視野を持った人材を育てる場として「新渡戸国際塾」を立ち上げる計画を明らかにし、退任後も本県での人材育成に力を注ぐ決意を示した。

  谷口学長は「県立大が存在感を増してきた4年間に学長を務められたことは幸福だった」と振り返り、「岩手の発展のため、外に飛び出していくような若い世代を育ててほしい」と話した。

  県立大の学生は発言下手だが「素直で清潔感があり、忍耐力がある」と評価。若い世代が本県で活躍するためのベンチャーの創出やアジア諸国との関係強化にも県立大が力を発揮していくべきとの考えを示した。

  県立大の学長を引き受けたのは、岩手が新渡戸稲造や後藤新平ら日本の国際化の過程でリーダーシップを発揮した人材を多く輩出していたからという。「若い世代も素質は十分持っている。岩手の将来は人材育成にかかっている」と期待する。自ら塾長を務める新渡戸国際塾にも、その思いを込めた。

  1回目の国際塾は9月4日から6日まで、滝沢村の岩手山青少年交流の家で開催。国際的に活躍する人材を講師として招き、寝食を共にしながら議論する機会を提供する。塾参加料は食事代など実費負担のみで講習は無料。塾の運営費は谷口学長の私財と企業や大学、商工会議所などに募る賛助金で賄う。団体1口1万円、個人3千円の賛助金の募集を始めている。

  「後藤新平も『人を残して死ぬのは上』と言った。お世話になった岩手の人材育成のために協力したい。新渡戸を輩出した岩手のDNAを引き継ぎ、日本の発展のために活躍する人材を1人でも2人でも出していければいい」と話した。

  谷口学長はパプア・ニューギニア大使、国連大使、OECD(経済協力開発機構)事務次長などを歴任。西澤潤一初代学長の後を受け05年4月に就任した。「シンク・グローバリー アクト・ローカリー」の精神を掲げ、国際交流活動や遠野市、紫波町など自治体との連携研究の推進に尽力。大学法人化に伴う中期計画の策定推進、開学10周年記念事業への取り組みなどにも貢献した。4月からは東京を拠点に、桜美林国際塾の塾長などとして人材育成に力を注ぐという。

  県立大の新しい学長には、東北大名誉教授で科学技術振興機構JSTイノベーションプラザ宮城館長の中村慶久氏の就任が決定している。

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