2009年 3月 26日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉251 「どうぶつさいばんタンチョウは悪代官か?」

     
   
     
  タンチョウという鳥、渡り鳥のイメージが強いんですが、北海道は釧路湿原に棲息しているかれら、大部分は「留鳥」なんだそうです。知っているようで、分らないものです。

  さて、それでは、本題。北の大地、湿原の春。胸にそれぞれの思いを秘め、三々五々集まった、大小の動物たち。年に一度の裁判が開廷するというのです。

  キタキツネによって選ばれた今年の原告は、清流に住むウグイ。今週のタイトル、実はウグイの訴状です。タンチョウに補食されるウグイにとって、生態系のバランスの中であれば、わが身はいわば年貢。それがタンチョウばかりが増え、年貢を際限なく要求されては、ウグイは種の存続の危機、タンチョウの仕儀はまさに悪代官である、というのです。

  審理が進むに連れ、人間の存在がクローズ・アップされます。もともとは稀少種の保護、今や湿原の名物となったタンチョウの餌付け。ところが、今やそのために、生態系のバランスは崩れつつあるというのです。そして人間たちの、片手で「保護」、片手で「開発」という名の(どちらも)環境破壊が明らかになっていき…。

  判決、主文は「タンチョウは悪代官ではない」。それでは、真の問題は、どこに?

  【今週の絵本】『どうぶつさいばん タンチョウは悪代官か?』竹田津実/作、あべ弘士/絵、偕成社/刊、1470円(税込み)(2008年)

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