2009年 3月 27日 (金)

       

■ 〈2月県議会を振り返る〉対立が生んだ紛糾と空転

 県議会2月定例会は25日、35日間の会期を終え閉幕した。今定例会の紛糾、対立は、県立病院等の新しい経営計画が最大の要因だった。だが、これまでの執行部の政策の進め方に対する不満や反発が内在していたことも遠因にあり、議会内に執行部への強い反発が再燃する可能性がくすぶっている。活発な議論となって良かったという受け止め方もあるが、今回のような異例ずくめの事態が頻繁になれば県民の不利益を招きかねない。それには、執行部の県政運営に改善が求められる一方、議会にも会派間などの調整力のアップが求められている。

  今定例会は前代未聞の本会議における知事の土下座、県政史上初の再議権行使、15時間を超える徹夜議会の1日に象徴されるように、異例、混乱、紛糾、空転と表現されるような事態が相次いだ。特に再議権の行使には予算特別委員会で、飯沢匡氏(政和・社民クラブ)や柳村岩見氏(自民クラブ)が「禍根を残す」などと発言している。

  会派幹事長の飯沢氏は今後の県政、議会運営への影響という意味で禍根を使ったという。政和・社民クラブは第3極として達増県政に是々非々の立場で臨んでいる。病院問題では終始、自民クラブと共闘したが「たまたまであり、野党といわれるのは心外」と話す。

  「敵か味方かという態度で今後も臨むのなら、今回のようなことが繰り返される」と指摘し、執行部をけん制する。

  自民クラブ代表の千葉伝氏は「対立の構図が強かった議会と感じる。今後は執行部が議会側に対して重要な課題をいきなり出すようなやり方を、もう少し検討し直してもいいのではないか」と、執行部への反省を促す。

  「県立病院や県営運動公園のようなやり方が今後も出てくるなら、こちらも対峙せざるを得ない。もう少し歩み寄ることをしなければ、結果的に県民にとって不幸なことになる」と、飯沢氏と似た受け止め方だ。

  対執行部とともに議会内での調整も課題として指摘されている。民主・県民会議は達増県政の与党であり最大会派という立場から、議会内の調整に積極的に動いてもいい存在だ。事実、その働きを期待する議員の声もあったが、定例会中、3会派が精力的に協議する場面はなかった。

  会派代表の佐々木順一氏は「理解を得ようにも、確信的な動きで考え方も違い、(調整するにも)手遅れだった」と話す。昨年の12月定例会で、無床化撤回を求める請願を採択したことが「議会がこれだけ混乱した原因」と指摘。継続審査にしていれば「冷静、公正な審議に深まったのではないか」と受け止めている。

  「手続き論は議会の論理であり、県民の視点は違う。議会の論理が出たことが、混乱の大きな要因になった。今回の結果は県民が冷静に批評するのではないか」と話し、「勤務医の現状などを調査し、病院問題の本質を論議した」という会派の姿勢を強調している。

  とはいえ、民主・県民会議は議長を出し、議会運営をリードする立場で、自民クラブも何でも反対という野党ではなく、政和・社民クラブも合わせ、主義主張に違いはあるといえ、固定化された議会内対立にはなっていないのが岩手県議会だ。

  仮に対立関係が固定・恒常化されれば、執行部の提案する内容にかかわらず、賛否が決する危険性がある。そうした事態は県民の不利益になる。

  議員の中からは会派間の協議の少なさを指摘する声、正副議長の一層のリーダーシップを望む声が聞かれている。折しも、議会基本条例は4月から施行になる。執行部、議会とも今回の「異例の議会」を異例で済まさず、課題を見つめ、不断の改革、改善につなげてほしい。

(井上忠晴記者)

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