2009年 3月 29日 (日)

       

■ 響く「音の回廊」 吉田好晴さんが版画展

     
  「音の回廊(G)」  
 
「音の回廊(G)」
 
  盛岡市の吉田好晴さんの版画展が28日まで、同市紺屋町の自家焙煎(ばいせん)コーヒー屋クラムボンで開かれた。個展は2年ぶり。木版画10点が展示された。「音の回廊」シリーズは5点の連作。バイオリン、ギター、チェロ、リコーダー、サックスの楽器を、それぞれの人物が持つ構図で表現した。

  人物の表情はわざと描かない。感情を盛り込むことで、見方を特定したくないから。見る側が自由にいろいろな表情を重ねて見てほしい。「できるだけ静かに対面できる感じ」を目指す。

  背景を作らず、紙の白をそのまま生かした画面。これまで、小さな作品では挑戦したことがあるが、大作では初めての試みとなった。

  使用する版はすべて2版。絵を陰刻した版のほかに、絵柄を彫らない黒のベタの版を使う。最初にベタの版を刷って黒い画面を作り、完全に乾いてから、絵の版をその上に刷る。理想の色になるまで、何度も重ねて刷っていくという。

  黒ベタの版を使い始めた10年以上前から、イメージが広がってきたと実感。色の深みが出るだけでなく、銅版画のエッチングのような細い線を表現できるようになったところが気に入っている。

  色彩は15年以上前から油絵の具を使用。色が強過ぎると感じることもあるが、水性絵の具と違って紙の伸び縮みがないのが利点。乾燥に時間がかかるのは短所でもあるが長所でもある。乾かないうちに次の色を載せると重なり具合が見えてくる。自分の思った通りにならないので、画面が変わっていく可能性があると思っている。

  「朽ちたような世界が好き」という吉田さん。音楽を聴くのは好きだし、楽器はその形自体が絵になる。「音の回廊」シリーズには今後も取り組むつもりという。

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