2009年 3月 31日 (火)

       

■ PAC3が岩手山演習場入り 夜遅く車列が到着

     
  報道陣が見守る岩手山演習場に入場していくPAC3の車両群  
 
報道陣が見守る岩手山演習場に入場していくPAC3の車両群
 
  航空自衛隊の地対空ミサイル「PAC3」が30日夜、滝沢村の陸上自衛隊岩手山演習場に到着した。31日から実際に展開配備され、北朝鮮が打ち上げる「テポドン2号」が県内に落下してきた際の迎撃態勢を敷く。PAC3はパトリオットミサイル。静岡県の航空自衛隊浜松基地から海路で仙台に陸揚げされ、車両で駐屯地入りした。4月4日から8日までに予告されているテポドンの打ち上げに備える。

  東北自動車道から岩手山のふもとにある陸上自衛隊の岩手山演習場北口ゲートに先頭の車両が到着したのは午後9時5分だった。車列は7〜8台で3つのグループに分かれていた。30分ほどの間に全部で25台程度の車両が演習場に入っていった。

  パトリオットを搭載するPAC3の大型車両は3台あった模様だ。セパレートタイプのトレーラーがミサイルランチャーをけん引する格好だ。その間にレーダーや補給用車両などが続いた。

  ゲート付近には岩手駐屯地の自衛官や警察官らが出て誘導に当たった。集まった報道陣は約30人。地域住民らの姿はなかった。

    ◇  ◇

  北朝鮮の「テポドン2号」の打ち上げ予告により、岩手県は初めてミサイルの落下に備える事態を迎えた。弾道ミサイル攻撃については国民保護法制の中に対応が定められているが、今回は人工衛星打ち上げに発射されたものが事故を起こした場合に備える例外的なケース。県は天災や武力攻撃以外の有事について、危機管理のあり方を見直す。県民にとって万が一、ミサイルが落下してきた際は堅固な建物に待避するしかないという。

  国や都道府県の危機管理は天災に際して災害対策基本法、武力攻撃に際して国民保護法に基づき対応が定められている。今回は人工衛星の打ち上げに発射されたテポドンが正常に飛翔せず、日本国内に落下する事態を想定。国民保護計画とは別枠で対応する。北朝鮮から日本海、本州上空、太平洋へと横切る航路の下で、切り離されたロケットが本県に落下してきた場合、自衛隊が地対空ミサイル「PAC3」で撃ち落とす。

  県総合防災室の越野修三防災危機管理監は「危機管理対応方針で、県の地域防災計画や国民保護計画以外の危機に対応する災害対応方針があった。例えば鳥インフルエンザなど。今回の事態を受けてというわけではないが、さらによく対応できるようマニュアルを見直す。今回は特別なケース。日本を狙う武力行使についての対処要領はあるが、今回はそういう目的によるものではないので、万が一の事態に備えねばならない」と話す。

  国はテポドン2号の発射を探知した際、テレビ、ラジオの速報を通じて国民に知らせる。ミサイル発射をアナウンスで警告する「Jアラート」は、沿岸の少数の自治体に設置されているだけ。盛岡地域では放送を通じて知るのが最も早い。国は平常通りの生活を呼びかけているが、被害を回避する手だてはあるのか。越野管理監は「どこに来るかは分からないので、防空壕(ごう)が無ければ堅固な建物の中に入るしかない」と話す。

  消防は4月3日に警戒本部を立ち上げる。盛岡地区広域行政事務組合消防本部の七木田実消防司令長は「緊急消防援助隊を派遣する体制を取り、BC(生物・化学)災害に対応できるようにする」と話し 、初めての事態に万全を期す。万が一、人的被害が出た場合については「集団救急事案として多数の傷病者が出た場合の計画は作ってあり、医療機関と連携して対応する」と話している。

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