2009年 4月 15日 (水)

       

■ 郊外シネコン消えぬ可能性 盛岡市、法による規制は困難

     
  郊外型シネコン進出で、映画館通りへの影響は  
 
郊外型シネコン進出で、映画館通りへの影響は
 
  盛岡市郊外を狙った複合型映画館(シネマ・コンプレックス)進出話に関心が集まっている。今までも県内外資本の進出がうわさされ、3月下旬には山形市の会社が盛南開発地域を中心に進出するという情報が流れた。映画館通りを軸とした映画文化を発信する中心市街地活性化策に官民が取り組む一方で、立地規制などの対抗手段は現時点では取れない。郊外型シネコン進出の可能性は消えない。

  中心市街地の商業者は郊外型シネコンに「街中の映画館が閉鎖するのでは」「中心部と郊外の共存共栄は難しい」と懸念の声が多い。市内の映画館関係者によると、北上市内にシネコンができた当時、興業成績は4〜6割減少したという。

  中央劇場(同市中央通、中劇)の幾田和実社長は「郊外にシネコンが進出すれば太刀打ちできない。こちらから行政に進出規制は求めない。市民の総意として反対運動が起きれば別だが、流れとしては当たり前のことだ。郊外に新しい街(盛南)ができてしまっているのだから」と話す。

  中劇を含む中心部の映画会社は駐車場の割引チケットなど車社会に対応したサービスを今月中にも開始する準備を進めている。

  市は映画館通りを中心に盛岡に残る映画文化の発展を中心市街地活性化基本計画の1施策に掲げている。1月末に映画館通りの3館が閉館した分、盛り上げようと今年の「もりおか映画祭」への予算投入を拡充した。昨年の第2回から題名の「岩手」を外し、映画の街盛岡色を鮮明に打ち出したばかりだ。

  谷藤裕明市長は7日の会見で山形市のシネコン会社について「開設自体の具体的な情報は入っていない」と述べた。盛南開発地区への郊外型シネコンや大型商業施設進出については「中心市街地活性化基本計画推進に与える影響は大きい」との認識を示した。

  「映画をキーワードにしたまちづくりへの配慮を申し入れ、(盛南開発事業主体の)都市再生機構も保留地の公募には市の意見を募集要項に取り入れている」と説明。郊外で進出話が出た時点で、市の意見を伝える考え。

  しかし、市や市内映画関係者の意見を述べても現実に規制する法律はない。市独自の条例もない。会社が資金を確保し、建築基準法や区画整理法の条件を満たせば進出可能だ。「郊外型シネコンに盛岡はマーケットとして成り立つ」(佐藤光彦商工観光部長)と市も認識している。

  佐藤部長は「われわれは映画関係者に個別に会うチャンスがあり、ネットワークも持っている。進出したいという話を聞くことはあるが、はっきりどこでという話はない。また、盛岡が映画の街を推進していることを知らない関係者はいないと思う」と話す。

  対抗策を講じられぬまま、郊外へシネコンが進出した場合、映画の街盛岡、中心部の映画館通りにどんな影響を与えるのだろうか。


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