2009年 4月 16日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉254 岩橋淳 「はるですよ ふくろうおばさん」

     
   
     
  三寒四温と言いますが、これは冬から春への季節の移り変わりに見られる気温のはなし。さすがに4月も半ばとなれば、これはもう春、なはずなのですが、どうも朝晩の冷え込みが…、とコートが手放せない方も、まだちらほら。今週の1冊は、春も間近の森で暮らす、ふくろうおばさんの物語。

  とにかく寒がりのこのおばさん、暇にあかしてせっせと編むのは、毛糸のセーター、マフラー。ぬくぬくと着込んで万全、と思いきや、なかなか安心できません。せっせと編みあげたのは、巣穴のある木をすっぽりと包み込んでしまう大きな袋。それでも足りずに、隣の木、そのまた隣の木と、ついには森全体をすっぽりと包んでしまった、ふくろうおばさんのふくろ。おばさんは満足かもしれませんが、ほかの動物たちは…?

  長さんの作品では、見晴るかす山がカレーライスに、空ゆく雲がトンカツに見立てられたりします。今回、森を覆う毛糸のふくろは東京ドームの遠景のようなんですが、とにかく規格外。それが巻き起こす騒動も、つられて規格外。…計算ずく? いや恐らくはいきあたりばったりで描かれるところに、長ワールドの奥深さがあるのです。

  【今週の絵本】『はるですよ ふくろうおばさん』長新太/作、講談社/刊、1680円(税込み)(2006年)

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします