2009年 4月 16日 (木)

       

■ 〈北Gのライブトーク〉83 北島貞紀 シャイン・ア・ライト

 最初に目に焼きついたのは、深く刻まれた顔のシワだった。それはミック、キース、ローニーのフロント3人に共通していた。3人とも痩身であり、彫の深い顔立ちであり、何よりも全員60歳を超えているのだ。(平均年齢64歳なのだ)それは、ちょっと痛々しくって僕には直視できなかった。

  世界最強のロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズの映画「シャイン・ア・ライト」を観た。監督は、M・スコセッシ、2006年の秋、ニューヨークのビーコン・シアターのライブを主体に構成されたものだ。

  ライブのオープニングは「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」。キースのあのフレーズがスーパーライブの開始を告げた。ビーコン・シアターの客席数は2800、この映画のために選ばれたハコである。このプラチナチケット、一体いくらだったのだろう。

  あっという間の2時間だった。「実際のライブ以上にライブを体感」というのがウリだったが、まさにその通り、十分にそして初めてのストーンズ・ライブを堪能した。(僕はまだストーンズの生ステージを観ていなかった)

  ストーンズは正真正銘のライブバンドだった。今までレコードやCDで聴いてきた音をはるかに凌いでいた。ラフに見えるが、おそらくはきっちりと計算された音が、単なる音の重なりではなくマグマのような強力なエネルギーを生成してゆく。その音圧、質感が録音では拾いきれないのだ。

  今が一番楽しいんじゃないかな…そう思った。酒やドラッグ、スキャンダル、不仲、メンバーの脱退、そういったすべてを乗り越え、もう何にも惑わされることはない。「ライブを映画にしたい」だから、ミックはそう言ったのだ。

  映画が終わるころには、顔のシワは僕の視界から消えていた。最強バンドの快進撃は続く。

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