2009年 4月 22日 (水)

       

■ マイマイガの大量発生を懸念する声 予測は困難か

     
  マイマイガの卵1粒の大きさは直径約1ミリ。写真の卵塊は4個分で500粒以上はあると、おおみや園芸の藤村社長  
 
マイマイガの卵1粒の大きさは直径約1ミリ。写真の卵塊は4個分で500粒以上はあると、おおみや園芸の藤村社長
 
  盛岡市内などで昨年大発生したマイマイガ。街灯などに無数に群がり、死がいが異臭の原因にもなった。ふ化前の駆除が効果的といわれる中、昨年産み付けられた卵のふ化が県内の一部で始まっている。例年より10日以上早いという。県林業技術センターは今年も大発生するか、時期を含めて現時点での予測は難しいと説明する。成虫になるのは7、8月で盛岡さんさ踊りの時期と重なれば、開催への影響やイメージダウンにつながると懸念する声も出ている。

  ■さんさの影響は?

  昨年のさんさ踊りでは最終日のみマイマイガの影響を受けた。佐々木東・市観光課長は「大発生すれば影響は非常に大きいが、現時点では、はかりかねる。打ち合わせの中で今後話題に出てくるだろう」と説明する。

  盛岡大通商店街協同組合の阿部利幸事務局長は「昨年と同じ発生状況ならどうしようもない。さんさ時期は治安が優先され、街灯を消すことはできない。後処理で職員が清掃したり、張り付いたものを除去するしかない。飲食店は一番気を使う。市も対処は考えてくれるようだ」と話す。

  同市大宮の造園業おおみや園芸の藤村健三社長は「今年はサクラの開花が例年より早く、昆虫類の羽化も同じではないか。さんさの時期より早まるならいい。重なって、さんさがガの舞いに圧倒されてしまえば来年にも影響するかもしれない。取り越し苦労ならいいが…」と心配する。

  一方、盛岡駅前商店街振興組合では「昨年は地震の風評被害の方がひどかった。今年は景気がよくなり、風評被害が払しょくされる方が期待は大きい」との意見だった。

  ■大発生は流動的

  マイマイガは成虫が夏に産卵する。1匹当たり200〜300粒の卵塊を樹木や建物、街灯などに産み付ける。翌年4月下旬ごろふ化する。幼虫は糸を吐きながら風に乗って拡散し、6月にさなぎになる。すべて成虫にならないとしても、大発生した翌年は相当量が成虫になると見込まれる。

  林業技術センターは既に今年の発生動向について調査を始めた。14日に岩泉町、その後宮古市で卵がふ化したのを確認。ふ化時期が例年より10日から2週間早まっているという。

  発生量の予測は卵から幼虫がふ化したあと20日から1カ月かかる。判断材料はマイマイガだけの「流行病」がまん延する是非だ。

  この病気は大量発生から2、3年後に起き、9割以上が死滅する。マイマイガは07年に青森県南部、八戸市で大発生した。昨年は本県北部や沿岸から盛岡まで南下した。今年は3年目になる。

  小林光憲林業技術センター研究部長は「県内で一部病気が出ているとの情報もある。病気にかかると、ふ化した幼虫が葉っぱなどに垂れ下がってへばりつく。これらを総合的に判断するので現段階で発生が多いか少ないかをいうことはできない」と、大発生が流動的な状態と説く。

  ■防除の効果は?

  昨年、市には市民から苦情が寄せられ、市議会でも取り上げられた。市街地の一部では昨年のうちに産み付けられた卵が除去された。3月1日付市広報で季節ごとの生態や防除方法を掲載した。薬剤散布器具を地区活動センターなど市内25カ所に配置して利用を呼びかけている。

  幼虫になると産卵場所以外へ拡散するため、卵の段階での駆除が効果的だ。担当する市環境部も「市民の協力をお願いしている」(藤井敬芳環境企画課長)と話すが、散布器具の利用実態は把握していないという。

  小林部長は「卵を除去しても昨年あれだけ大発生した。電柱や家屋で除去すれば数自体は減るだろうが、それ以上に山に産卵しており、絶対数が多い。拡散するのを考えると1年前と同じ場所に発生するとも限らない」と効果を疑問視する。

  マイマイガの発生は自然現象であり、抜本的な駆除など具体策が見つかっていないのが現状。流行病で終息するか、さんさに発生が重ならないことを祈るばかりだ。

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