2009年 4月 25日 (土)

       

■ 観光地に観光客、都市商業地に買い物客 高速道料金引き下げで

 県内の観光地に高速道の土日祝日の料金引き下げ効果が波及してきた。ETC搭載で上限1千円のサービスを利用し、県外からマイカーで乗り入れる観光客が増えている。半面、鉄道など公共交通機関は高速道への乗客の流動を、地元商業者は高速道のストロー効果が増幅し、都市圏に購買力が流出することに警戒感をにじませる。東日本高速道路によると、3月28日の引き下げ開始後の休日の交通量は前年比で3割から5割増加している。

 雫石町の雫石プリンスホテルはこの春、ETC効果や定額給付金による市場の活性化をにらみ、各種プランを打ち出した。同ホテル企画営業の篠原竜彦氏は「ETCの利用で増えているかどうかの統計はないが、4月は非常に多くのお客様、県外客と思われる方が来られ目標の数字より良い。昨年は2度の地震と世界遺産の見送りなど県内は元気がなかった。今年は期待したい」と話し、国の経済対策に呼応して観光の活性化を図る。

  同町の小岩井農場まきば園広報マネージャーの高山勉氏は「入場者がどんと増えたというわけではないが、ETCの影響で関東からみえる人は増え、確実にこちらに足を向けている。3月から4月にかけてキャンペーンを行い、ETCカードを持って窓口に来た方にサービスした際、どこから来られたか聞くと、東京や北関東方面が予想以上に多かった」と話し、交流人口の増加を実感している。

  八幡平市の岩手山焼走り国際交流村担当部長の芳門重信氏は「ETCの効果はまだそれほど表れていないが、高速道で来る人は多い。連休中はキャビンがいっぱいになっている。八幡平のアスピーテが開通し、青森、弘前にサクラを見に行く途中にあたるので、合わせて観光客も増えるのでは」と話し、インターに近い地の利を生かそうとしている。

  東日本高速道東北支社は3月から料金引き下げと相乗りできるよう、雫石プリンスや国際交流村などを含め「岩手湯めぐりサービスキャンペーン」を展開。高速道利用者を対象に県内54カ所の温泉施設の割り引きなどの特典を盛りこんだ。

  同社盛岡管理事務所の佐々木幸夫副所長は料金引き下げ後の高速道利用について、「ETCに限らず、全車両で断面交通量を前年同期で比較すると3割から5割増えている。単純に考えてもETCの上限1千円で乗られているお客さんが伸びているのではないか」と話し、ゴールデンウイークにかけての交通量増加に備える。

  八幡平市は西根、松尾八幡平、安代の3インターがあり、高速道での盛岡、青森、八戸など都市圏へのアクセスに恵まれている。八幡平市商工会の菅野正孝事務局長は「連休にかけて大いに期待している一方、ある人の話では仙台あたりのお客さんはETC千円で行き来できるので、泊まらず高速で帰ってしまう人もいると聞く。ただ全体的には良くなるのでは」と話す。商業的な影響については「消費行動が広域化し、こちらから出ていく分が増えることも考えられる」と話し、消費者の流動への懸念も示す。

  JR東日本盛岡支社の向久保文一販売促進課長は、ゴールデンウイークの輸送見込みの中で、ETCによる高速道への乗客の移動について、「収入のトレンドに大きな変化はないが、若干の変化はあるかもしれない。ゴールデンウイークどうなるか注意して見ていきたい」と影響を注目している。

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