2009年 4月 26日 (日)

       

■ 〈胡堂の父からの手紙〉213 八重嶋勲 左の事柄について聞きたく候

 ■281半紙 明治41年9月15日付

宛 東京市麹町区飯田町四丁目三十一、
                日松館
発 岩手縣紫波郡彦部村
前畧無事安着之由大慶ニ存候、当方無事ナリ、安心セラレ度候、
水一件ハ何等響沙汰モナシ、本年ノ作合ハ先以テ安心、三十六年以来ノ豊年ナラン、去ル八日、九日頃初霜アリ、日鶴賀奉迎ノ為メ繁忙ナリ、まつゑ梢ヤ全癒セリ、
左ノ事柄ヲ聞及度候、
  一病気再発ノ慮ナキカ
  一身体ト気分ノ空合異状ナキカ
  一未払ノ為メ日松館ヘ如何ナル申訳シ  居リシヤ
  一目下学校通学シアルカ
  一試験受クル意志ナルカ
  一通學セサルナレバ日課業務何シテ居  ルヤ
右序テニ報導相成度、金員ハ当月廿五日過キニアラザレバ送金ニ難及了知セラレヨ、右用事迄、早々
  九月十五日       野 村
     長一殿
 
  【解説】「前略、無事安着とのこと大慶である。当方は無事であるので安心せよ。

  水一件は何ら響く沙汰(さた)もない。本年の稲の作柄はまず安心である。明治36年以来の豊年であろう。さる8日、9日頃に初霜があった。日鶴賀奉迎のため繁忙である。まつゑはやや全癒した。

  左の事柄について聞きたい。

  一、病気再発の恐れがないか。
  一、身体と気分の具合に異状がないか。
  一、未払いのため日松館に対し、どのような申訳をしているのか。
  一、目下学校へ通学しているのか。
  一、試験を受ける意志があるのか。
  一、通学してないのであれば、毎日どのような過ごし方をしているのか。

  右のことについて、ついでに知らせてほしい。学費は、当月25日過ぎにならなければ送金できないので、承知しておくようにせよ。右用事まで早々」という内容。

  「水一件ハ何等響沙汰モナシ」とはどういうことか分からないが、次に「本年ノ作合ハ先以テ安心」とあるので、多分農業用の水利が支障がないということなのかもしれない。

  「日鶴賀奉迎ノ為メ繁忙ナリ」は、何かと思い調べたが、これもよく分からない。

(県歌人クラブ副会長兼事務局長)

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