2009年 4月 27日 (月)

       

■ 質の高い教員を養成 岩手大学教育学部が履修内容を見直し

     
  真剣な表情で教育概論の授業に臨む岩手大教育学部学校教育教員養成課程の1年生  
 
真剣な表情で教育概論の授業に臨む岩手大教育学部学校教育教員養成課程の1年生
 
  岩手大学教育学部(加藤義男学部長)は、質の高い教員養成を目指し、今年度から学校教育教員養成課程のカリキュラムを大幅に見直した。模擬授業などで教員としての心構えや指導技術を最終チェックする4年次の「教職実践演習」を、この春入学した1年生から必修化。この演習を通して、最低限必要な資質を身に付けたと認められた学生にのみ教員免許を与える。教員の資質能力が厳しく問われる時代となり、大学の教員養成課程も改革に迫られている。

  同大教育学部の学校教育教員養成課程は、学校教育コース、特別支援教育コース合わせて182人の新入生を迎えた。カリキュラム改革は、教員の質を保証するため、国が打ち出した教員養成や教員免許制度の改革の流れに沿ったものだが、少子化で大学間の競争が高まる中、地元教員養成機関としてレベルアップを図る狙いが大きい。

  教職実践演習は2010年度から開設が義務づけられているが、1年前倒しして導入した。4年生の後期に履修。計画では1クラス40人程度に分け、ワークショップ形式で行う。模擬授業や事例研究を通して、学生個々の不足している点を補えるようきめ細かく指導。教員として円滑なスタートを切れるよう支援する。

  教員を目指す学生には入学直後から「教職ポートフォリオ」と呼ばれる履修記録の保存を求める。講義や実習で学んだ内容や提出したリポートをつづっていくファイルで、自己課題を分析する資料にもなる。

  教職実践演習の成績は、このポートフォリオなどをもとに、入学からの教職課程の履修状況を複数の教員の目を通して総合評価するという。1年生には全員、教職ポートフォリオのための専用ファイルと様式を配布し自覚を促した。

  ほかにもこれまで講義を聞くことが中心だった授業に、グループ活動を定期的に組み込むなどコミュニケーション能力や問題解決能力を育てる教育内容を拡充。児童生徒との触れ合いを体験する2年次の学校体験演習や教員が個々の学生の履修状況を確認する年2回の個別教職指導も新設している。卒業に必要な専門教育科目の単位数は前年度より2単位増え94単位となった。

  「卒業に必要な単位さえ取得すれば教員免許がもらえた時代は終わった。学生には自覚を持った取り組みが求められる。指導するわれわれの責任も重い」と遠藤孝夫副学部長。「1年生から教員を目指す方向づけをしっかりし、高い人間性を持った教員を育てたい」と話す。

  同大教員養成課程の学生の教員採用率は08年3月卒業生が43・5%、09年3月卒業生が暫定集計で46・9%。本県の教員採用枠が狭いとはいえ、決して高い数値ではない。「教員養成課程であれば、せめて5割から6割の採用率は確保したい」という。

  カリキュラム改革について同課程1年の菅原成也さん(18)=一関市出身=は「前年度までの様子は分からないので特に違和感はない。大学生活に慣れるのに精いっぱいだが、自分の道を見極められるようにしていきたい」。高校の時から教員を目指しているという佐藤真由美さん(18)=北海道出身=も「先生たちも熱心に指導してくれる。地元の教員になるのが目標。4年間でちゃんとした教員になれるよう真剣に取り組みたい」と気持ちを引き締めていた。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします