2009年 4月 28日 (火)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉231 八木淳一郎 ガリレオの贈り物その8

 読者の皆様の中には、望遠鏡で木星を見たことのある方、あるいは肉眼で星空の中に木星を見つけることのできる方もおいででしょう。もし、どちらもまだ経験したことがないお方は、記念すべき年である今年こそぜひ体験してみてください。今の季節はまだ、木星は東の空に顔を出す時刻が午前2時ごろですので、起きて見るにはつらいものがあります。もう少しの間待つことにしましょう。夜中でも暖かく、過ごしやすい6月初めになりますと夜中の0時ごろ。それでも時間的にまだちょっと厳しいでしょう。そうしますと8月のお盆のあたりはどうでしょうか。この時期になりますと、木星の上ってくるのは午後7時ごろ。この時刻にはまだ外が明るくて空に青味が残っているのですが、暗くなる8時、9時ごろには木星も高い位置に移り見やすくなってきます。真南に一番高く上るのは午前0時ごろです。

  木星の観察には、子ども科学館での毎月第1土曜日の星を見る会や小岩井農場のまきばの天文館、あるいは私どもの毎週金曜日晴れた夜の通称「星空の屋台」といった催しをご利用ください。望遠鏡を木星に向け、初めは低めの倍率を掛けてのぞいてみます。するとかわいらしいちょっと楕円形をした黄色に輝く木星の本体と、木星の赤道方向の真横に4つの衛星が愛らしくお行儀良く並んでいる光景を目にします。ガリレオは1610年に人類史上初めて木星を望遠鏡で観察しました。「星界の報告」という著書に詳しく毎晩観察した記録をスケッチとともに記しています。ガリレオがその年の1月8日の午前1時に初めて見たときは3つの星が並んでいました。ところが毎晩続けて観察していくにつれて、小さな星たちは木星との間隔やお互いの間隔が変わったり、さらには2つになったり4つになったりしたのです。ガリレオは初め小さな星は普通の恒星であると思っていたのですが、詳しく観測した結果、これら4つの小さな星は木星の周りを回っているのだと考えたのでした。

  余談ですが、何年か前の岩手高原でのスターウオッチングのときのこと。ちょうど見ごろの木星に、何台かの望遠鏡が一斉に向きました。すると皆一様に驚きの声を上げたのです。「エーッ、こんなのあり?!」一体何事かと次々にのぞいてはやっぱり同じ戸惑いの声。それは、木星の周りにある衛星が4つ以上は決して見えるはずがないのにきれいに5つならんでいたからです。すは!天空の珍事!結局時間がたつにつれ、一つの星は離れ始めたので、普通の恒星がまぎれていたということで何事もなくチョン。それにしても、明るさといい位置関係といい、茶目っけたっぷりのお星チャン。しばらく一緒に遊んでからジャーネーとバイバイしていきましたとさ、どんどはれ。
(盛岡天文同好会会員)

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