2009年 4月 30日 (木)

       

■ 地域経営の観点からまちづくり研究 盛岡の人口減、所得減に着目

     
  盛岡市まちづくり研究所の成果報告会  
 
盛岡市まちづくり研究所の成果報告会
 

 盛岡市まちづくり研究所(所長・幸丸政明県立大副学長)は、2期目の公約に掲げた谷藤裕明市長の肝いりで同大に設置されてから1年が経過した。同大常駐の職員2人が基礎研究と個別研究「自治協働の新しい仕組みづくり」をテーマに成果をまとめた。今年度はさらに個別研究で市民意識調査や先進事例を調査。地域課題を地域コミュニティー自ら解決できる方策を検討する。

  同研究所の成果報告会は28日、同市若園町の市総合福祉センターで開かれた。職員、市議ら約60人が出席し、研究員である職員のプレゼンを聞いた。

  基礎研究は「人口と世帯の動向」、「雇用と所得の動向」にアプローチ。その中で人口減少は自然減が大きく「出生率を維持・上昇させる中長期的政策」「高齢化社会の諸問題解決のための短中期的な政策」の必要性を挙げた。

  所得の減少については「税収減少」や「地域の消費力低下による第3次産業への悪影響」を懸念。将来の経済状況などを踏まえた税収の将来予測が必要と分析した。

  個別研究は藤澤勇主査が自治協働の新しい仕組みづくりを進めるために▽地域づくり組織の構築▽地域づくり計画とコミュニティー機能強化▽都市内分権の推進−の必要性を提案した。市民、市民団体(NPO)、事業者、町内会・自治会対象のアンケートを基に内容を紹介した。

  地域づくり組織とはアンケート対象の市民、各団体が共通のテーブルで地域課題を認識、共有し、解決に結びつけるための場所。地域活動が重要と認識していても日常参加していないため活動内容を知らなかったり、町内会役員にしか地域の活動実態が見えなかったり。それらの解消のため情報発信の見直し、マニュアル化を推奨する。

  集団資源回収を例に「有用コミュニティー」という概念を説明。参加、協働することで技術を得られる場という意味から、参加する市民、団体が目的達成のために総参加し、同時にインセンティブを得られる場でもある必要性を主張。残り1年で地域コミュニティーが自ら解決するための方策について検討する。

  池田克典副市長は冒頭あいさつで「これまで1年間の活動の成果が出ている。内容、手法、成果は期待以上のもの。自治体が委託するシンクタンクは金太郎あめで同じような切り口しか出ないが違う。人口減少、高齢化社会は避けられない中、地域経営をどうするか。今日的課題に取り組む体制をつくっていきたい」と述べた。

  幸丸副学長は「自治体職員の政策形成能力の向上が目的の一つ。職員が研究テーマを持ち込み、教員の能力(や専門領域)を把握する、検索能力を向上することで、県立大のシンクタンク機能が果たせる。1年目の成果で、市長の視点が着実に表れている」と主張した。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします