2009年 4月 30日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉256 岩橋淳 ひみつのカレーライス

     
   
     

 カレーライスの大好きな、フミオくん一家。カレーの日の食卓は、満面の笑みで覆われるんです。ところが、この日のカレーライスには、カリッ! すわ、異物混入?!

  すかさずお父さん、書斎の膨大な蔵書の中から、とある文献を引っぱり出す(話中、着流し姿で登場のこのお父さん、タダモノではありません)。

  これこそは、世にも珍しいカレーのたね。

  そしてお父さん、これを庭に埋めると、自らを先頭に、お母さんとフミオくんに珍妙なる歌と踊りを促します。家長の権威、健在なり。…件のたね、翌日、発芽。それは驚くべき速さでたくましい木となり、皿状の葉を茂らせ、福神漬けの花が咲き、ついには白、黄、二色の実を付けます。…その芳香は、町内いっぱい広がって!

  作者の井上荒野さんといえば、昨年直木賞を受賞した、バリバリの小説家(かの硬骨の作家・故井上光晴氏令嬢でもあります)。絵本の翻訳家としても実績のある方ですが、自作による絵本はこれが第一作とのこと。ただし、ご自身が十年近く前に手がけた小説に、「カレーライスのなる木」は既に登場していたんだそうです。

  【今週の絵本】『ひみつのカレーライス』井上荒野/作、田中清代/絵、アリス館/刊、1470円(税込み)(2009年)


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